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性交渉はしても大丈夫?産婦人科医が解説する「生理中にやってはいけないこと」

性交渉はしても大丈夫? 産婦人科医が解説する「生理中にやってはいけないこと」

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福岡県の西区今宿にある婦人科クリニック『よう子レディースクリニック』で診療にあたっている渋井よう子です。

生理中は、腹痛や頭痛、吐き気などが伴い、不快な気持ちになることがありますね。今回はそんな生理期間に“避けてほしいこと”を中心に、お伝えしていきます。

〈医師プロフィール〉
『よう子レディースクリニック(婦人科・メディカルエステ)』院長の渋井よう子
東京出身で、「人のやさしさ」「食べ物のおいしさ」「住みやすさ」にひかれ、福岡県移住。現在、女子高生、女子中学生の母。女性の健康・美・幸せを軸とした「ハッピーライフサイクル」を理念に婦人科クリニックで産婦人科医として診療にあたっている。

生理中は身体を冷やさないようにしましょう

生理中は身体を冷やさないようにしましょう

画像:Shutterstock

まずは生理についてお話します。生理とは「約1か月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」と定義されています。子宮内膜とは妊娠が成立するために必要な子宮の中の膜で、生理のときにはこの子宮内膜が剥がれ落ちて出血が起きます。

このような出血は主に排卵を伴った場合に起こり、生理前に2週間程度高めだった体温が下がるタイミングにもあたります(基礎体温ではこの高めの体温の時期を高温期、体温が下がってからの時期を低温期と呼びます)。このように体温が下がる時期に生理が起こるため、いつも以上に身体を冷やさないように気をつけましょう。

冷えは、生理中の痛みを強くするほかに、免疫力を低下させる可能性もあります。

具体的な冷え対策としては、薄着や冬場のシャワー浴を避け、冷たいものを口にしないようにしましょう。美容にいいからと生野菜や果物を大量に食べている人もいるかもしれませんが、体を冷やす食材が多いので気をつけてくださいね。

また、適度な運動は血行をよくすることが期待できるためおすすめします。ですが頑張りすぎてしまうと、汗をかきすぎて逆に身体が冷えてしまったり、必要以上に疲れてしまったりすることも。これによって免疫力が低下することがあるため、激しい運動は避けましょう。

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子宮内膜症を引き起こすようなことは避けましょう

子宮内膜症を引き起こすようなことは避けましょう 

画像:Shutterstock

身体を冷やさないようにすることのほか、今後の生理痛悪化予防のために気をつけてほしいことがあります。それは、子宮内膜症を引き起こすような行動です。

子宮内膜症とは、生理痛がひどくなる原因の一つとして、多くの人が悩まされている病気です。この病気は子宮内膜に似た組織が、子宮の内腔や卵巣、骨盤内などになぜか定着してしまい、生理と同じタイミングで出血や炎症を繰り返します。そのため、生理が起こるたびに生理痛の症状がひどくなっていくのです。

子宮内膜症の原因の1つとして考えられているのが月経血の逆流です。子宮から出る月経血は、本来膣を通って体外に排出されます。しかし、子宮は卵管を通じて骨盤内につながっているため、子宮が収縮すると骨盤内にも月経血が逆流してしまい、内膜症が起こると考えられています。そのため、月経血が骨盤内に逆流するような行為は避けましょう。

子宮内膜症を引き起こさないために、注意が必要な生理用品と体位についてお話します。

タンポンを使う場合の注意

タンポンをしてもナプキンが汚れる場合は、使用可能時間内であってもタンポンを交換してください。そうしないと、タンポンによって血液の排出が邪魔されて逆流しやすくなります。

また、長時間タンポンを入れっぱなしにすると感染が起こり、ひどいときには命を落とす場合もあります。

月経カップを使う場合の注意

月経カップは本来排出される血液を膣内にためる容器です。たまった血液の量によっては、子宮内に逆流しやすい状態を作ります。

また、就寝時に使用すると、タンポンとは違ってダイレクトに子宮内に血液が逆流することが予想されるため、使用方法には注意が必要です。

注意すべき体位

避けてほしい体位は骨盤を上げる体勢です。

生理中の適度なヨガやストレッチはおすすめしていますが、その際骨盤を上げるような体勢は逆流する月経血を増やしてしまう可能性があるため避けましょう。

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生理中にしてはいけない?性交渉についてのリスク

生理中にしてはいけない?性交渉のリスク

画像:Shutterstock

生理中の性交渉についても、気になる人は少なくないかもしれません。産婦人科医の視点から、生理中の性交渉は避けるべきだと考えています。

この項目では、生理中に性行為を控えたほうがいい大きな理由を2つご説明します。

【理由1】子宮内膜症のリスクが上がる

上述した避けてほしい「骨盤を上げる体勢」ですが、性行為の場合、ほとんどがこの体勢となると考えられます。

さらに、生理中の性行為には子宮内に月経血を押し戻す行為が加わるため、骨盤を上げる体勢を取るだけよりも子宮内膜症のリスクが上がる可能性があるでしょう。

【理由2】感染症のリスクが上がる

性行為は、月経血のほかにも外からの細菌、場合によっては性感染症であるクラミジアや淋菌のような菌が子宮内に送り込まれる危険があります。生理中は子宮内膜が剥がれ落ち、子宮内には傷がある状態。そのため、骨盤内に感染が起こる可能性が生理でないときよりも高まるといわれています。

生理痛の原因となる子宮内膜症や骨盤内に広がる性感染症は、ひどくなると不妊症の原因や生理以外のときでも常にお腹が痛くなる慢性骨盤痛の原因になることがあります。

不妊症や慢性骨盤痛は症状の進行が速いとは限りませんが、一度進行してしまうと症状の改善は難しく、つらく悲しい思いをしてしまうでしょう。そうならないためにも、今回ご説明した「生理中には避けてほしいこと」を参考にしていただきたいと思います。

生理痛がつらいときや性感染症の心配があるときは産婦人科を受診してみてくださいね。(文/渋井よう子)
※この記事は公開時点での情報です。
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考・画像】
※文/渋井よう子
※日本産科婦人科学会(2018)『産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第4版』(金原出版)
※画像/Andrei_R、Vectorium、toyotoyo/ Shutterstock

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