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生理痛は大きく分けて機能性(臓器に異常がない)と器質性(臓器に異常がある)に分けることができます。

「生理痛」で病院に行ってもいいの? ひどいときのセルフケア方法も【産婦人科医監修】

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福岡県の西区今宿にある婦人科クリニック『よう子レディースクリニック』で診療にあたっている渋井よう子です。

生理痛が年々ひどくなっていると感じ、悩んでいる人もいるのではないでしょうか? 生理痛がひどい場合、日常生活に支障をきたし仕事に行けないという女性もいます。

そこで今回は、生理痛がなぜ起こるのかという基本的な知識から、生理痛をやわらげやすくする方法などをご説明しますので、ご自身の身体と向き合うきっかけにしてみてください。

〈医師プロフィール〉
『よう子レディースクリニック(婦人科・メディカルエステ)』院長の渋井よう子
東京出身で、「人のやさしさ」「食べ物のおいしさ」「住みやすさ」にひかれ、第3子出産後に福岡県移住。女性の健康・美・幸せを軸とした「ハッピーライフサイクル」を理念に婦人科クリニックで産婦人科医として診療にあたっている。

生理とは?基本的な知識

生理とは?

画像:Shutterstock

まず生理痛についてお話しする前に生理についてお伝えします。

生理(正式には月経)とは「約1か月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」のことです。このような出血は主に排卵を伴った場合に起こります。排卵は妊娠するために必要なプロセスであり、卵巣内から卵子を子宮内に送り込む目的で起こるものです。

実際には排卵された卵子は直接子宮内に入るわけではなく、子宮につながっている卵管を通って子宮内に到達します。その間、タイミングよく精子と受精すると受精卵となり子宮の内側の膜、つまり子宮内膜に潜り込み、妊娠が継続していきます。しかし妊娠が成立しなかった場合、厚くなった子宮内膜は、排卵から2週間前後で不要となるため剥がれ落ちます。これが排卵を伴った生理です。

生理痛はこの排卵を伴った場合の生理直前や生理時から始まる病的症状のことです。具体的な症状としては下腹部痛、腰痛、腹部の張り、吐き気、頭痛、体がだるい、食欲が落ちる、イライラする、下痢、抑うつなどがあげられます。

また、生理痛は大きく分けて機能性(臓器に異常がない)と器質性(臓器に異常がある)に分けることができます。

機能性(臓器に異常がない)月経困難症の一般的な原因とは?

生理痛は大きく分けて機能性(臓器に異常がない)と器質性(臓器に異常がある)に分けることができます。

画像:Shutterstock

機能性の場合の痛みは、生理初日から2日目頃の出血の多いときに症状が強く、痙攣性かつ周期性に下腹部に痛みを感じることが多いです。子宮の出口が狭いことや痛みを引き起こす物質であるプロスタグランジン(PG)などによって子宮の収縮が過度になることが、一般的な原因とされています。

この痛みは排卵がない周期に出現することはまれで、初経以降に排卵周期が整ってくると症状が出現するのが一般的です。

痛みの原因となるPGは子宮内膜から産生され、このPGにより子宮の筋肉が過剰に収縮し、血流が悪くなることで痛みが起こるとされています。また、生理のときにみられる吐き気、下腹痛、下痢、頭痛などの全身症状は、PGとその代謝産物が血液を介して全身に広がることによって起こると考えられています。

このような機能性の月経困難症は、子宮が発育していくにしたがって痛みが軽減する人もいます。

器質性(臓器に異常がある)月経困難症の原因疾患とは?

一方、器質性月経困難症の原因疾患としては、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症などが考えられます。器質性月経困難症は20歳以降に起こると言われてきましたが、最近では10代でも起こることが分かってきました。

器質性月経困難症は、臓器に異常があることから婦人科診察で診断がつきうる生理痛です。年齢を重ねるたびに症状がひどくなることが多く、鎮痛剤が効かなくなってくる場合もあります。

生理痛へのセルフケア方法は?

次にお伝えするのは生理痛へのセルフケアです。ここで、第一にお伝えしたいことは、ひどくなる前に対処してほしいということです。

鎮痛剤を内服する

鎮痛剤を内服する

画像:Shutterstock

機能性月経困難症の部分でご説明した通り、痛くなってしまったときには、すでにPGがたくさん放出されてしまった状態と考えられるため、痛みを抑えるのは大変です。

そうなってしまう前に対処したほうが、痛みはやわらげやすいと考えられます。

なので、痛くなりはじめたら、鎮痛剤をなるべく早く内服しましょう。

「鎮痛剤を気軽に使うと癖になる」「効きが悪くなると思い、薬を飲むのを我慢している」という話をよく聞きます。月に1回程度の生理のときだけ、鎮痛剤を使用するのであれば、異常な内服の頻度ではありません。もし、薬の効きが悪くなると感じるのであれば、痛みの度合いが強くなっている可能性が高いでしょう。

お腹や腰を温める

お腹や腰を温める

画像:Shutterstock

身体が冷えて血行が悪くなると痛みが強くなることがあります。それをやわらげる方法としては、汗をかかない程度にカイロや腹巻でお腹や腰を温めたり、ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かったりするとよいでしょう。

軽いストレッチやヨガを無理のない範囲で行う

軽いストレッチやヨガを無理のない範囲で行う

画像:Shutterstock

ストレッチやヨガなどご自身にあった軽い運動を取り入れて血行を良くすることを促すのもおすすめです。このほか、ストレスがたまりすぎないように生理中は無理をせず、睡眠を十分にとり、趣味などのリラックスできる時間を取るのもよい方法です。

生理痛はどの程度なら病院に行っていいの?

生理痛はどの程度なら病院に行っていいの?

画像:Shutterstock

痛みの度合いは個人差が大きく、周りの人と比べることができません。そのため、生理痛でお困りの人は、自分の痛みが病的な範囲か判断するのは難しいでしょう。

ただ、生理痛に困っていれば、日常生活に支障が出るほどまで受診を待つ必要はありません。鎮痛剤で痛みが抑えられなくなってきた、鎮痛剤の使用回数が多い気がする……など、気になることがあったら婦人科を受診してみてください。きっとご自身の身体のことを知るいいきっかけになるのではないでしょうか。

生理痛は女性特有の悩みです。しかし、2011年にバイエル薬品が日本人女性約2万人に実施した調査結果によれば、女性の社会進出が進んだ現代において生理痛などによる経済損失は年間6,828億円との報告もあり、今や社会問題の一つです。大げさのように聞こえるかもしれませんが、生理痛で悩んでいる人が生理痛から解放されることが日本経済の好転につながることを、男性含め一人でも多くの人に知っていただける世の中になることを願っています。(文/渋井よう子)
※この記事は公開時点での情報です。
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考・画像】
※文/渋井よう子
※日本産科婦人科学会(2020)『産婦人科ガイドライン – 婦人科外来編2020』
※画像/ metamorworks、Leszek Glasner、Kaspars Grinvalds、fizkes、imtmphoto、rangizzz/ Shutterstock

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