TOP > ニュース > 〈南区大橋〉魅惑のあんバターサンドの「ヤキチ」へ【古後大輔のふくおかパンライフ#9】

〈南区大橋〉魅惑のあんバターサンドの「ヤキチ」へ【古後大輔のふくおかパンライフ#9】

2020.02.18

ぱんにちは〜!

今日も素敵な「ふくおかパンライフ」をテーマに福岡の最旬パンニュースをお届けしていきます。

先週紹介した『ザ・ルーツ』と同じ時期にオープンした『ヤキチ』(南区大橋)。こちらの店もまた福岡のパン好きの間でその名を知らない人はいないほど人気ベーカリーへとあっという間に成長した店だ。

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

ひとつのパンの顔つき、色気、存在感が半端ない!

大橋のちょっと外れにあるにも関わらず、遠方から通う常連客も少なくない『ヤキチ』。

店内の売り場は客が2人も入れば手狭になるほど小さな造りだが、焼き立てのパンが次々と並んでいく販売台のパンに目をやると、その小ささを微塵も感じさせないから不思議なもんだ。それはきっと『ヤキチ』のパン一つひとつが、「どうだ!」と言わんばかりの誇らしげな表情と迫力満点の焼き色で、堂々と並んでいるからに違いない。かくいう私も、その容姿から放たれる色気と存在感に(後列で順番を待つ客の「早くして!」という視線を感じながらも)、いつも惚れぼれとしてしまい、思わず時間を忘れて魅了されてしまうのである。

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

そんなパン好きを虜にしてしまう魅力たっぷりのパン作りをしているのは、オーナー兼シェフでもある藤川夫妻。北九州の『木輪』、東京の『パーラー江古田』で修行を積んだ、確かな経験と技術の持ち主だ。オープンから4年目を迎えた今、販売スタッフと遠方からもやってくる常連客に日々励まされ、夫婦仲良く二人三脚で店を切り盛りしながら、さらにファンを増やし、一歩一歩着実にその名前と評判を広げていっている。

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

そんな藤川夫妻が醸し出す魅力と、強くコンガリと焼き上げられたパンから放たれる香ばしい色気に、いつも入店後、わずか数秒でノックアウト!気がつけば思考停止してしまい、ついつい予定よりもたくさん買い込んでしまうので要注意を(笑)。

 

魅惑のあんバターサンドにノックアウト!

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

そう、「ノックアウト!」で思い出したが、人気ベーカリーと呼ばれる実力店には、絶対に避けて通る(購入せずに帰る)ことができない、ノックアウト負け(即買い)必至のスーパーヘビー級のハードパンチャー(超お気に入りパン)がたくさんいるから用心しておかないといけない。

こちらの『ヤキチ』も然りで、看板メニューのひとつ『ざぶとん』といったハード系のパンから、リッチ系、ソフト系、調理ものに甘味パンまで、ハードパンチャー的お気に入りのパンをあげればキリがない。

だがしかし、もし一つだけどうしても選ばないといけないとするならば、それは間違いなく「あんバターサンド」なのである。

「ヤキチへ行こう!」と頭の中でそう思った瞬間、真っ先に頭に浮かんでくるのはいつも彼の姿なのだ。

そんな『ヤキチ』の「あんバターサンド」の魅力を、その構成素材ごとに解説させていただくと…(長くなりますがよろしければお付き合いを)

あんバターサンドの魅力(長文)

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

『ヤキチ』の「あんバターサンド」という、彼の魅力。

その根源は、甘すぎず、甘くなさすぎず、きっちりと豆の姿があるつぶあんなのに、こしあん独特の滑らかなねっとり感があるという、なんとも絶妙な自家製あんこにある。まずはその「あんバターサンド」が「あんバターサンド」たる所以である自家製あんこ、さらにはそこに施された真摯で丁寧な藤川夫妻の仕事に一目惚れしてしまうのである。

そんな自家製あんこを「あんバターサンド」という劇場の主役とするならば、次に注目すべきは、もっちり感としっとり感が共存しているにも関わらず、キリッと歯切れがいいパンの存在だ。その存在感は、主役を大きく包み込み、十分に引き立てながらも、自らの風味や味わい深さをしっかりと感じさせてくれる、いぶし銀のベテランの俳優が演じる準主役とでもいいましょうか。一口頬張るたびに、その安定感たっぷりの食べ応えに癒され、安心して身を任せて、食べ進められるのである。

そして最後に語るべきは、そんな主役と準主役の影に隠れ、控えめながらも、しっかりと自己主張という演出をやってのける発酵バターだ。多すぎず、少なすぎず、適量な出番で、主役(あんこ)と準主役(パン)の間に溶け込み、その仲をとりもちながらも、合間あいまでひょこりと顔を出しては、そのコクと深い風味という味の記憶をしっかりと残していく。そんな発酵バターの存在こそが、「あんバターサンド」劇場の深みと奥行きをグーンと広げてくれているのである。そう、例えるならば、どんな場面でも、そっと、そーっと、主役と助演役の側に寄り添ってくれている、名バイプレイヤーといったところだろうか。

そんな不朽の名作『ヤキチ』の「あんバターサンド」劇場には、何度食べても、我を忘れるてしまうくらい、うっとりと魅了されてしまうのである。

しかしながら、この記事を書きながら困った欠点がひとつあることに、たった今気がついてしまった。

それは、『ヤキチ』の「あんバターサンド」が何度食べても魅力的なあまり、写真撮影することをいつもうっかり忘れてしまい、カメラのデータにそのナイスバディの激写が残っていないという悲しい法則。いつも無我夢中で胃袋という名の「味の記憶ハードディスク」に収めてはいるのだが(笑)…今日の今日まで、そのことにまったく気がついてなかったのである(猛省)。

これぞ KO確実のハードパンチャーがなせる技。私はさそのパンチをくらい過ぎた、パンチドランカーなのである…。

ということで、お詫びに以前撮影した集合カットにて、その容姿をどうぞご覧あれ!

次回こそは…でも忘れちゃうんだろうな、きっと…。(文/ARNE編集部)

Yakichi(ヤキチ)

撮影:古後大輔

(写真左から)あんバター(税別190円)、抹茶とマメ(税別230円)、明太フランス(税別240円)、クロワッサン(税別180円)、春野菜とベーコンのホットサンド(税別340円)

〈店舗詳細〉

Yakichi(ヤキチ)

住所:福岡市南区大橋4-5-6 天本ビル1階

詳細はこちら

この記事は公開時点での情報です。写真内のメニュー・価格内容は変更している場合があります。最新の情報は各施設へお問い合わせください。