【最新情報あり】コロナ陽性“自宅療養”でも「医療保険」と「傷病手当」の給付金対象になる!?
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(公開:2022年8月17日、最終更新:2022年9月30日)
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの大野翠です。
早いもので2022年も半分以上が過ぎ、夏真っ盛りですね。まだまだ夏のレジャーを思いっきり楽しみたい反面、新型コロナウイルスへの感染が気がかりな人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お金のプロであるファイナンシャルプランナーの立場から、新型コロナウイルス(以下コロナ)に感染した場合の医療費について解説します。
すでに加入している生命保険や健康保険の傷病手当金なども、コロナへの感染で対象になる場合があります。ぜひ参考にしてみてください。
基本的に、コロナ治療は全額公費負担!「医療費はかからない」
通常、病気治療や入院したときにかかる医療費のうち、健康保険では3割(70歳未満の場合)の自己負担が発生します。
ですが、コロナに感染した場合は、治療にかかる費用は基本的に全額公費で負担されます。
そのため、治療に関する金銭的な負担はないといえます。
高所得世帯は医療費に手出しが必要なケースも
ただし、世帯全体の所得によっては手出しが発生する場合もあります。
福岡市では、世帯全員の市町村民税所得割額の合計が56万4,000円を越える場合は、月額2万円の自己負担が発生する場合があります。(※1)
ちなみに「市町村民税所得割額が合計56万4,000円」というのは、家族構成にもよりますが年収850万円~1,000万円のいわゆる“高所得世帯”にあたります。
つまり、平均的な年収世帯であれば、コロナ感染の治療費は全額公費負担、ということです。
医療保険に加入していたら、コロナにかかったときに給付金は?
(2022年9月30日追記:これまでは、新型コロナウイルス感染症に感染し、医師や保健所から宿泊療養または自宅療養を指示された場合には、医療保険などに加入している保険会社から入院給付金を受け取れました。しかし、9月26日より保険各社では「宿泊療養や自宅療養における入院給付金は、重症化リスクの高い人(65歳以上の人、入院を要する人、新型コロナ治療薬の投与または酸素投与が必要な人、妊娠中の人)に限定して支給することに変更する」と発表されました。なお、9月25日以前に陽性判定された場合には、変更前の内容(宿泊や自宅療養)で入院給付金を支払うとしています。詳細は、各保険会社に問い合わせてください。)
医療費自体の自己負担はなくても、コロナ療養で仕事を休むなど日常生活に与える影響は避けられません。
コロナにかかったけれど自宅療養またはホテル療養だった場合は特に、医療保険の入院給付金や一時金はもらえない……と思っている人も多いでしょう。
ところが、そんなことはありません! 一般的に医療保険では入院日額〇〇円という保障が多く、コロナにかかった場合、医療保険に加入している人は給付金が受け取れることがあります。
結論から言うと、陽性判定後に入院療養した場合はもちろん、自宅やホテルで療養した場合も、医療保険の請求対象となります。
細かい内容は保険会社によって違いますが、原則として医師や保健所の指示による療養なら給付金の対象と考えてよいでしょう。
検査キットでの陽性判定は対象外?濃厚接触者の自宅待機は?
ただ、コロナ感染で医療保険の給付金がもらえるかどうかは、医師や保健所の指示の有無が基準です。
ご自身で市販の検査キットなどを使って陽性判定になったからといって、それだけでは保険の対象にはなりません。医師の診断と療養の指示が求められるので、検査キットで陽性反応が出た場合も、その後、医師に診断を受けることで対象になります。
ちなみに、濃厚接触者となり、自宅などで待機することになっただけでは対象外です。
療養後に大急ぎで申請しなくても大丈夫!
申請には、医師の診断書、医療機関が発行する入院証明書、保健所が発行する自宅療養証明書などの書類が必要です。保健所や自治体から発行される療養を証明する書類は、必ず保管しておきましょう。
生命保険の給付金申請期限はおおむね3年間です。そのため、療養後に慌てて申請する必要はありません。
コロナになったら有休休暇?それとも傷病手当?
会社員など給与所得者は、加入している健康保険(健康保険組合や協会けんぽ等)からもらえる「傷病手当金」も対象となります。
傷病手当金は、病気やケガのため仕事を休んだ際に支給される健康保険の制度の一つです。健康保険に加入していれば、病気やケガの療養のために休業している場合に、申請することで受給できます。
ですが、有給休暇を取得して給与の支払いがされている期間は、傷病手当金は支払われません。
なお、「福岡市国民健康保険」に加入している従業員(被用者)の人で、コロナ感染により働けなくなった場合の「傷病手当金」は期間が延長され令和4年9月30日までとなりました。(※2)
不安にならずに制度を知って備えよう
このような給付金や手当金は、コロナ感染の場合はどうなるのか分かりにくいですよね。
コロナの感染者も増えていることから、各保険会社や健康保険組合などでも公式HP上でコロナ対応について明記している場合がほとんどです。
ご自身が加入している生命保険や健康保険ではどうなるのか、あらかじめ確認しておくと安心ですね。
不安になりすぎず、正しく備えるための知識として、今回の記事が参考になればうれしいです。(文/大野翠)
(※1)「新型コロナウイルス感染症の入院医療費公費負担について」(福岡市)(※2)「新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給について(令和4年9月30日まで延長)」(福岡市)
※文・画像/大野翠
※画像/Sunny studio、buritora、Monster Ztudio、Yourcontentstock、Freedomz/Shutterstock
(※1)「新型コロナウイルス感染症の入院医療費公費負担について」(福岡市)
(※2)「新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給について(令和4年9月30日まで延長)」(福岡市)
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