演出・堤幸彦×脚本・マキノノゾミの超強力タッグで生み出された初演では、10万人の動員を記録した大ヒット舞台『魔界転生』。2年4カ月ぶりに博多座に登場します!
奇想天外、魑魅魍魎! 歴史上の剣豪が次々とよみがえり、現世の怨念を晴らすべく、時空を超えて悪鬼となって徳川幕府と対決! アクションとスペクタクル、そしてカルトの世界が融合した壮絶・壮大な一大エンターテイメントです。
記事の後半には、演出・堤幸彦さんと、天草四郎役・小池徹平さんへのインタビューもあるので最後まで必見です!
大ヒット舞台「魔界転生」が、2年4カ月ぶりに博多座に登場!
画像:博多座
山田風太郎の伝奇小説が原作で、映画、舞台、アニメ、ゲームなどさまざまな形でリメイクされてきた、いわずと知れた人気作品『魔界転生(まかいてんしょう)』。
ド派手なアクション、変幻自在なフライング、そしてプロジェクションマッピングなどの映像技術までも駆使し、演劇と映像の融合による演出も話題を呼びました。2年4カ月前の初演に続く今回は、さらにブラッシュアップを重ね、令和版の『魔界転生』として登場。
豪華キャストにも注目の舞台です!
画像:博多座
(上段左から)上川隆也、小池徹平、藤原紀香、村井良大、木村達成、田村 心(下段左から)岐洲 匠、宇野結也、財木琢磨、山口馬木也、渡辺 大、浅野ゆう子、松平 健 ※敬称略
「魔界転生」あらすじ
徳川幕府によるキリシタン弾圧のため10万人の信者が惨殺された島原。魔界の力を借りてよみがえった「島原の乱」の首謀者・天草四郎は怒りと憎しみに燃え、幕府への復讐を決意する。
四郎は「魔界転生」という妖術を使い、宮本武蔵や柳生宗矩など歴史に名を残す剣豪たちを次々とよみがえらせ、幕府滅亡を画策。
これら魔界衆に柳生十兵衛を中心とする幕府方が立ち向かう。
一方、大阪では淀君もよみがえり、柳生衆と魔界衆の激突は、ついに最終決戦のときを迎え……。
演出・堤幸彦さんと、天草四郎役・小池徹平さんにインタビュー!
画像:ARNE編集部
今回、主演の上川隆也さん演じる柳生十兵衛の最大の敵・天草四郎役は、本作初出演となる小池徹平さん!
そして演出は前回に引き続き堤幸彦さん。ドラマ「金田一少年の事件簿」シリーズや映画「20世紀少年」ほかテレビ・映画・舞台などで数々のヒット作を手掛けてきた、日本が誇る演出家です。
公演に先立ち来福した、演出の堤幸彦さんと、小池徹平さんにインタビューしました。
―「魔界転生」という物語の魅力は、どんなところでしょうか。
堤さん:原作も相当うねりのある話で、それをいろんな方が舞台や映画で作られてきました。私どもがマキノさんと作った話は、前々作といってもいいのでしょうか、『真田十勇士』からの時代の流れみたいなものを引き継ぎながら、それを裏コンセプトにしつつ仕掛けているというところに、まず面白みを感じています。
「徳川の天下」というものが、徳川に敗れた人々にどういう影響を与えているか、それがどんな「恨み」や「怨念」と化しているのか、それがまさに今回の『魔界転生』という、魔界衆に転生していく原動力になっていることに、とても魅力を感じます。それは負けていった者の美学といったところです。
画像:ARNE編集部
昨日、私たちは長崎県の南島原市へ行き、天草四郎ゆかりの地を巡りました。原城跡という、農民一揆で3万8000人が全滅していった場所にも行きました。
きれいで風光明媚でいい風が吹いて春の香りがする……当時もそのまんまだったと思うのですが、そんな場所で蜂起せざるを得なかった気持ちをこの舞台では背負わなくてはいけない。
その恨みつらみのようなものが「反徳川」に結びついているんじゃなかろうかというのが、私たちバージョンの魔界転生の大きな流れであり、そこに私は一番魅力を感じています。
そしてその魔界に転生した者たちがどういう運命をたどり、それを柳生十兵衛がどう打ち負かしていくのか。面白い活劇だなと思って、取り組んでいます。
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―堤さん、俳優・小池徹平さんにどんな魅力を感じ、今回の舞台で何を期待していますか。
堤さん:いろんなところでのご活躍をお見受けしていますし、演劇界・俳優界でもすでに独特の立ち位置をお持ちの方。
今回の天草四郎役に関していえば、すごく純粋、ピュアであることが大事。まずはビジュアルの面から、小池さんを見て「二枚舌」だとか「腹黒い」だとか、そういうイメージを持つ人はゼロでしょう。
そのストレートなピュアさというのは天草四郎には必要で、だからこそ悪にさえも純粋になれるというか、必死になれる。
しかし根っこの部分では、魔界転生してもなお、愛だとか人との信頼とか人々の苦しみを背負ったという事実は忘れていない。そういうところを表現したいですね。
二面性のある役なので、まさに小池さんの純真で純粋な部分を必要としている部分です。
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―前回上演はコロナ禍前、そして今回はコロナ禍後の舞台表現となります。
堤さん:窮屈ではあります。それから制限、制約を受けているとも感じます。
しかし、どんな逆境であろうが、大枚を払って見に来てくださるお客様が楽しんでいただける、かつ辛い時代であることをいっときでも忘れて「ああ楽しかった」という心のお土産を持って帰っていただくべく、前向きに努力しなくちゃいけない。舞台表現的にキツイ時代ではありますが、それを逆手にとって頑張りたいと思っています。
テクノロジーという面はあくまで表現の一部分です。大事なのは、肉体を舞台上で展開していただく俳優のみなさん、そしてスタッフのみなさんの人間力。前回に劣らず両方の軸で頑張っていくということですね。
前回もプロジェクションマッピングなど、さまざまな手練手管を使ったハイテクな舞台を目指したのですが、結局は俳優のみなさんの肉体のパワーで魅せる、そしてセリフとストーリーで感動の領域に持っていくという結果になって。「演出家の思い込み」と「俳優のパワー」とどっちが勝ちかというと「俳優のパワー」だったということでした。それはそれでいいと思うんです。
今回も、新たなテクノロジーをもって表現しますが、俳優の皆さんには、とにもかくにも体をかけて戦っていただきたいと思います。
―小池さんはフライングも初挑戦だそうですが、いかがですか?
小池さん:そうです。僕は高いところが好きなので、そこまで恐怖は感じていなくて。自分的に不安要素はあまりなくて、おそらくは大丈夫かと。
堤さん:痛いよ、股間が(笑)。
小池さん:慣れますかね……? 早く慣れたいなと。しっかり鍛えていきたいと思います(笑)。
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―小池さんは、今回初の“堤幸彦さんの演出”作品への参加。堤さんへのイメージを教えてください。
堤さん:正直に言っていいですよ(笑)。
小池さん:堤さんの作品は子どものころから見ているものが多くて、たとえばドラマ「金田一少年の事件簿」とか。子どもの頃から“堤ワールド”に心を動かされてきたんだなって。映画にしてもそうですし、本当にたくさんあります。
実際に堤さんにお会いしても思うのですが、遊びゴコロがとてもある方で、頭の中にとっても大きいおもちゃ箱を持ってあるようだという印象を受けました。
がちゃがちゃとおもちゃ箱をふって、「じゃあ、これとコレを組み合わせたら面白いんじゃないか」「新しいおもちゃを取り入れてみよう」という感じの印象です。それが誰も思いつかない面白い演出につながったり、変わった技法が生まれてたりになるんだろうなと。
今回、コロナ禍で演出がガラっと変わるので大変だと思いますし、そのなかで「どうにかしてやろう」と緻密に考えられていると思います。そういう堤さんを見て、「絶対に期待に応えてやる!」と思わない役者はいないでしょうね。ましてや今回の『魔界転生』で新しく加わる人たちはみんな、初演の作品に絶対に負けたくないというか、超えたいという想いを強く持っているんじゃないかなと思います。
「やべえな」という感じではなく、「やってやろう!」という感じですね。
堤さん:よ~くわかってるじゃないか(笑)。いいよ!
画像:博多座
―堤さんは今回の魔界転生をどのような舞台に仕上げていきたいですか。
堤さん:逆境だからこそ、より安全に暴れたいといいますか、イリュージョンも含めて、より「どうなってるんだ!」と思わせてやりたいと。
そういう舞台づくりの決意を新たにしますよね。逆境だからこそ、です。そんなもので萎れている場合じゃない。(コロナ禍で)1年間をダメにされた怨念は、私たちにもあります。
負けた者の怨念の物語と言いましたが、それは私たち自身なんだということですかね。
画像:博多座
―ところで……お二人の思う「福岡の女性」のイメージを教えてください。
堤さん:強い(笑)。九州にいる私の親戚筋の女性はみんな豪快で強い。頼りになる。僕はそんなイメージしかないな。
小池さん:確かに言葉も強い感じですよね(笑)。「なんとかバイ」って方言は強いですよね。聞き慣れないからかな? バリバリしゃべっていると、「わ、強い(笑)」って。
堤さん:でも関西のほうが強くない?
小池さん:そうですね、関西のほうが言葉は強いんですけど。あと、やっぱり美しい方が多い気がしますね。
画像:博多座
―ARNE読者のみなさんにメッセージをお願いします。
堤さん:新しくなった『魔界転生』は、小池さん筆頭に感情移入できる“いい男”をがっつり揃えていますので(笑)、実際にご覧いたただいて「なるほど」とうなずいていただけるとうれしいですね。
もちろん男性だけではございません。浅野ゆう子さん、藤原紀香さんはじめ、フライングが得意な女性とかアクションが得意な女性とか、多彩なメンバーがチームにおりまして、すばらしい活躍をしてくれることと思います。老若男女楽しんでいただけるステージになると思います。ぜひご期待ください。
小池さん:博多座に見に来られるすべての女性の心を、しっかりと愛の「忍法髪切丸(にんぽうかみきりまる/天草四郎の必殺技)」でぎゅっと縛りたいと思います♡
堤さん:言うたなー(笑)。
これは絶対に見たい舞台! 公演は4月16日(金)から。チケット販売は3月13日(土)からスタート。ぜひチェックしてくださいね!(文/ARNE編集部)
<「魔界転生」作品概要>
日程:4月16日(金)~4月28日(水)
会場:博多座(福岡市博多区下川端町2-1)
チケット:3月13日(土)電話予約・インターネット発売開始
観劇料:A席 14,500円、B席 10,000円、C席 6,500円
企画・製作:日本テレビ 主催:博多座 後援:FBS福岡放送・KKT熊本県民テレビ・NIB長崎国際テレビ
出演:上川隆也、小池徹平、藤原紀香、村井良大、木村達成、田村 心、岐洲 匠、宇野結也、財木琢磨、山口馬木也、渡辺 大、浅野ゆう子、松平 健
問い合わせ:092-263-5555(博多座電話予約センター)
HP:https://www.hakataza.co.jp/
【参考・画像】
※画像/博多座
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