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症状がなくても行くべき?【産婦人科医が解説】婦人科検診の内容や費用

福岡県の西区今宿にある婦人科クリニック『よう子レディースクリニック』で診療にあたっている渋井よう子です。

「婦人科検診」や「レディースドック」という言葉を耳にすることがあると思いますが、そもそも「婦人科検診って何をするのか」「無症状なら受けなくてよい?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、婦人科検診の目的や内容などについて、詳しくご説明したいと思います。費用の目安もご紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

〈医師プロフィール〉
『よう子レディースクリニック(婦人科・メディカルエステ)』院長の渋井よう子
東京出身で、「人のやさしさ」「食べ物のおいしさ」「住みやすさ」にひかれ、福岡県移住。現在、女子高生、女子中学生の母。女性の健康・美・幸せを軸とした「ハッピーライフサイクル」を理念に婦人科クリニックで産婦人科医として診療にあたっている。

婦人科検診は何をするの?

婦人科検診は何をするの?

画像:Shutterstock

婦人科検診(レディースドック)とは、「女性特有の病気」の早期発見を目的とした検査の総称です。検査項目には厳密な決まりがあるわけではなく、婦人科領域の病気(子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん・子宮筋腫・子宮内膜症ほか)に加え、乳腺科領域の病気(乳がん等)を含めて調べるなど、検診施設によってさまざまです。

今回は、主に産婦人科で行われる検査内容について、ご説明します。

産婦人科での検査内容

  • 子宮頸がん検査:膣からの診察によって、子宮の出口を擦って細胞を採取する検査
  • 内診(膣鏡診を含む):外陰部および膣の中や子宮の出口に異常がないかや、子宮や卵巣に大きな腫れや痛みがないかなどを診察
  • 超音波検査:精度の高い順に経腟・経直腸・腹部超音波検査があり、子宮の病気(子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープなど)や卵巣の病気(卵巣がん・卵巣嚢腫・卵巣腫瘍・その周囲の病変の有無など)の発見に繋げられる検査
    ※検査方法によっては見つけられない場合があります

検査時の服装は?

検査の際は、内診台にスムーズにのれるようにスカートがおすすめですが、普段の服装でも構いません。乳がん検診を受ける際は、上下別れた服で行くのがおすすめですよ。

婦人科検診はなぜ受けるといいの?

婦人科検診はなぜ受けるといいの?

画像:Shutterstock

生理時以外の出血や生理のお悩み・おなかの痛みなどがない方は婦人科診察を受ける機会がないと思ってしまうかもしれませんが、何も症状がなくても病気が潜んでいることがあります。

まずは、子宮頸がんについて。子宮頸がんは、子宮がんのうち約7割を占めており、国内では毎年約1万人の女性が罹患、約3000人が死亡しているがんです。(※1)

特に、近年では若年層での罹患・死亡が増加していることが問題となっています。

早期のうちに治療すれば治癒率も高いのですが、初期は無症状の場合が多く、自覚症状での発見は困難。症状が出始める頃には、進行していて治療も難しさが増してしまいます。

また、卵巣は病気が無症状で進行することが多いといわれています。そのため、病気が進んで卵巣が大きくなってから症状が出現することが多く、ときに卵巣が破裂したり、ねじれたりすることで、緊急手術が必要となる場合もあるともいわれています。

これらの無症状の病気を放っておかないために、婦人科検診がすすめられています。

超音波検査などで、無症状の段階の病気でも見つけられる可能性があり、また、早期に発見できれば手術が必要になった場合も、子宮を温存するなどできる可能性が高くなります。

婦人科検診はいつ受ける?

婦人科検診はいつ受ける?

画像:Shutterstock

年齢的には、子宮頸がんの公費検査対象年齢である20歳以上の方に検診を受けることをおすすめします。しかし、年齢を問わず、性交渉が始まった方は、子宮頸がんの検査を受けたほうが良いと考えましょう。

婦人科検診の頻度は、1年に1回程度をおすすめします(治療やそのあとの経過観察が必要な病気が多数あるため)。忘れないようにご自身の誕生月にあわせて検診を定期的に受けている方もいらっしゃいますよ。

生理などの出血があるときには、子宮頸がん検査が受けられない場合もあるため、事前に検診施設に確認したほうが良いでしょう。

「検診を受けよう!」と思ったときが、受けるタイミングですよ。

いくらかかる?婦人科検診のおおよその費用の目安

婦人科検診は自費診療となり、含まれる項目が多様なため、費用も5,000円程度から数万円とさまざまです。

各自治体では、20歳以上の方を対象に、2年に1回は子宮頸がん検査を公費で負担してくれるため、一部の自己負担で子宮頸がん検診を受けることができます。

また、勤め先や加入する健康保険組合などでも婦人科検診を実施している場合がありますので、確認してみると良いでしょう。

今回は、子宮頸がん検査を中心とした婦人科検診についてご説明しましたが、40歳以降では2年に1回の乳がん検診も推進されています。乳がん検診に対応していない婦人科もあるので、乳がん検診をご希望の場合は、検診が行われている施設を確認してみてくださいね。

内診台に上がる必要のある婦人科検診は、通常の検診よりもハードルが高いのはよくわかります。「何をされるか分からなくて怖い」「初めてで緊張する」「以前診察を受けて痛かった」など、ネガティブな印象がある方は遠慮せずに、ぜひ、診察を受ける前に担当医や看護師に伝えましょう。あなたの不安を理解した医療従事者は、いつも以上に配慮するはずですよ。(文/渋井よう子)
※この記事は公開時点での情報です。
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考・画像】
※文/渋井よう子
(※1)公益社団法人日本産婦人科学会ホームページ『子宮頸がん』 
※画像/Roman Samborskyi、ldutko、Kwangmoozaa、lenetstan/Shutterstock

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