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世界最大級の釈迦涅槃像だけじゃない!篠栗町「南蔵院」見どころ満載の参拝レポ

福岡県糟屋郡篠栗町にある『南蔵院(なんぞういん)』。

世界最大級のブロンズ製『釈迦涅槃像(しゃかねはんぞう)』が有名で多くの人が訪れるスポットですが、ただ涅槃像を見て帰るだけではもったいない!

見どころたくさんの『南蔵院』を余すことなく堪能すべく、“仏教検定1級”(※)を持つ私ツバキングが、住職室長・林えみさんご案内のもと境内を散策してきました。(※)日本仏教協会認定資格

みなさんにもその魅力をたっぷりご紹介します。

まずは「南蔵院(なんぞういん)」本堂・ご本尊にお参り!

まずは『南蔵院』の中心である『本堂』のご本尊からお参りしましょう。

南蔵院 本堂

画像:Mr.tsubaking

ご本尊は、大きくて目立つ『釈迦涅槃像』のように思うかもしれませんが、実は違います。

『南蔵院』のご本尊は『阿弥陀如来(あみだにょらい)』で、『本堂』の中央に祀られているのですが、実は『本堂』の場所も『釈迦涅槃像』がある場所ではありません。JR・城戸南蔵院前駅またはその横の無料駐車場から向かう場合、坂を上った右手にあります。

南蔵院マップ

画像:南蔵院

『阿弥陀如来』は、私たちが死んだ時に地獄に落ちてしまわないように迎えにきて、極楽浄土へ連れて行ってくれる存在。

そこから、現世安穏(げんせいあんのん)のご利益があるとされており、いつ何が起こるかわからない現代にピッタリの仏と言えます。

また、『篠栗四国八十八箇所』という篠栗に点在する88のお寺をめぐるお遍路(霊場巡り)のスタートとなる場所でもあり、霊場1番札所のご本尊である『釈迦如来』もこちらの本堂に祀られています。

南蔵院 本堂

画像:Mr.tsubaking ※左側から、釈迦如来、阿弥陀如来、弘法大師

厄除け・心願成就に!釈迦涅槃像と並んでファンの多い大きな「大不動明王」

『本堂』からさらに坂を上ると、大きな『大不動明王』が見えてきます。

南蔵院 不動明王

画像:Mr.tsubaking

その高さは11メートルにもおよび、憤怒相(ふんぬそう)と言われる表情もあって、圧倒されるような迫力を感じます。

南蔵院 不動明王

画像:Mr.tsubaking

一見恐ろしいですが、実は私たちの悪い心や煩悩を力づくで断ち切ってくれようとしている表情。見かけによらず(というと失礼かもしれませんが)慈悲深い仏なのです。

その慈悲はすべての人が対象で、天地眼(てんちがん)といわれる左右の目が上下に向いているのは、この世の全ての救いを求める人を見ていることの表れ。

手に持っている倶利伽羅剣(くりからけん)は、私たちの悪い心や煩悩だけでなく、厄災も断ち切ってくれるとされていることから、厄除けや心願成就でお参りされることの多い存在です。

大不動明王とあわせてお見逃しなく!木に刻まれた「雷神」

『大不動明王』の存在感で見落としがちですが、見逃し厳禁なのが『大不動明王』の近くにある杉の木に刻まれた『雷神』。

南蔵院 雷神

画像:Mr.tsubaking

数十年前の落雷により木の皮が剥がれた部分に、『雷神』が彫刻されています。

古くから落雷を受けた木には神が宿ると言われていることと、この杉が仏像や数珠を彫るのに最高の品質だとされていたことから彫刻されたそう。

また、この杉の木が避雷針がわりになって人に雷が落ちなかったことから、「災いを除く」ご利益があると考えられています。

現在、雷神様の左側(向かって右側)が木の皮に覆われ始めていますが、この木が数十年の時を経て自然と修復をしている証。

ご利益や彫刻の美しさだけでなく、木の生命力も感じられる場所です。

湧き水を飲んで内側から清らかに!篠栗霊場発祥の地「45番札所(南蔵院奥の院)」

さあ、次に進みますよ。

『大不動明王』から、さらに上っていくとゴツゴツした岩場があらわになった場所が見えてきます。

南蔵院 滝

画像:Mr.tsubaking

『篠栗四国八十八箇所』の45番札所のお堂(南蔵院奥の院)があり、その隣の『城戸不動の滝』では滝行をすることもできます。

仏教修行のひとつである「瞑想」も今や「マインドフルネス」として人気がありますが、滝行も自分を見つめ直し悪気を払うとされています。気になる人はぜひ体験してみてください(詳細は南蔵院に問い合わせを)。

そして実は、この滝は篠栗霊場発祥の地で、『南蔵院』にとっても篠栗にとっても重要なスポットです。

滝の横にある小さな洞窟には、山の湧き水を飲むことができる『霊水窟』もあり、体の外からも中からも清らかになれます。

軽く感じれば願いが叶う!?「おかかえ地蔵」

『釈迦涅槃像』へと続く『七福神トンネル』を通るべく、上ってきた道を下り、『本堂』のほうに戻ります。

『本堂』の横で、住職室長・林さんが「私の個人的なオススメはここです!」と熱っぽく教えてくれたのが『おかかえ地蔵』。7体の小さなお地蔵さんが並んでいます。

南蔵院 おかかえ地蔵

画像:Mr.tsubaking

叶えたいことを心に念じてお地蔵さんを持ち上げ、軽く感じれば願いが叶うというものです。

「同じお地蔵さんを、小柄な高齢の女性は軽々持ち上げたのに、体格のいい男性が持ち上げられなかったこともあったんですよ」と林さん。

実際に持ち上げてみる瞬間は、「もし重かったらどうしよう」とちょっとだけ不安にもなりますが心配はいりません。

もし重かったとしても、願いが叶わないのではなく「成就までにもう一歩努力が必要」ということなのだそうですよ!

体内の参拝もできる!世界最大級の「釈迦涅槃像」

『本堂』のそばから、中央に七福神が祀られている『七福神トンネル』を抜けると、『釈迦涅槃像(しゃかねはんぞう)』にたどり着きます。

南蔵院 涅槃像 正面

画像:Mr.tsubaking

全長41メートル、高さ11メートル、重さ300トンで、ブロンズ製としては世界最大級の涅槃像です。

その大迫力に思わず写真を撮ってしまいそうですが、まずはお参りから。

静かに合掌するだけでも構いませんが、『南蔵院』は真言宗のお寺で、涅槃像は釈迦如来なので、合掌してご真言(お経)「のうまくさんまんだぼだなんばく」を唱えてみましょう。体内も参拝できますよ(祈願供養料500円、受付時間9:30~16:00)。

さて、お参りが終わったら撮影! とは言え、ここは観光地ではなくお参りの場所ということをお忘れなく。

『釈迦涅槃像』前の休憩スペースの近くまで下がれば、頭から足先までキレイに写真に収めることもできます(上の写真)。しかし、国内外から参拝者が多い『南蔵院』。ほとんどの人が正面からの写真を撮っているので、既視感は否めませんね。

そこで、住職室長・林さんに、オススメの撮影角度を聞いて見たところ「足元からだと、大きさをより感じられますよ」とのこと。

撮影してみると確かに、涅槃像の迫力が写真にしっかり宿りますね!

南蔵院 涅槃像 足から

画像:Mr.tsubaking

さらに、足の裏には不思議な模様が。

南蔵院 涅槃像 足の裏

画像:Mr.tsubaking

古いお経に「如来には32の身体的特徴がある」と記され、仏像はそれに基づいて作られていて、この模様もその身体的特徴のひとつ。

私たちの怒りや貪り(むさぼり)を取り払ってくれる、釈迦如来の力が現れているものとされているのです。

ほかには、「螺髪(らほつ)」というパーマをかけたような独特なヘアスタイルも、如来の身体的特徴のひとつですよ。

南蔵院 涅槃像 頭部

画像:Mr.tsubaking

最後におまけとして、仏像マニアの筆者の拝観スタイルをご紹介します。

それがこちら!

南蔵院 涅槃像 遠景

画像:Mr.tsubaking

筆者はずっと「巨大仏は遠くからに限る」と感じており、『南蔵院』の『釈迦涅槃像』も遠景だと、近くとはまったく違ったスゴさが味わえます。

境内の外になるので、場所をお伝えはできませんが、安全とマナーを守って遠景スポットも探してみてくださいね!

あまりにも主役感の強い『釈迦涅槃像』。そのおかげで『南蔵院』を知った方も少なくないと思いますが、それだけではない魅力がたっぷりのお寺です。

この記事で紹介しきれていない部分もあるので、あなたの目で見つけに行ってみてください!(文/Mr.tsubaking)

<施設情報の詳細は施設名をクリック↓>
■南蔵院(なんぞういん)
住所:福岡県糟屋郡篠栗町大字篠栗1035
参拝時間:【釈迦涅槃像】9:00~16:30(体内は9:30~16:00)【本堂/45番札所】24時間参拝可
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【参考・画像】
※文・画像/Mr.tsubaking

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