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大シルクロード展

知的好奇心をくすぐる!「世界遺産 大シルクロード展」注目の出陳宝物を紹介

2024.02.19

「歴史は全然詳しくない」という人でもぜひ見ておきたい、またとない規模感で開催中の展示会をご紹介します。

知的好奇心をくすぐられに出かけませんか。

中国の国宝級宝物がずらり!「日中平和友好条約45周年 世界遺産 大シルクロード展」(福岡アジア美術館)

ユーラシア大陸を横断し、「東洋」と「西洋」を結んだ交易路として知られる「シルクロード」。

車も電車もない時代、地球の4分の1周にも及ぶ壮大な旅路を、砂漠や雪山も越えて多くの人と物が往復しました。人類の歴史においても重要な役割を果たしたと考えられています。

その影響は日本国内にも。たとえば奈良の『正倉院』に伝わる宝物の故地として、ペルシアや中央アジア、ひいてはギリシア・ローマに起源する文化が注目され、交流の歴史が研究されています。

そのシルクロードが2014年にユネスコの世界遺産(「シルクロード : 長安 – 天山回廊の交易路網」)に認定されたのを機に、学術調査や研究はこれまでにない勢いで進み、新しい発見が続いています。

世界遺産 大シルクロード展

画像:日中平和友好条約45周年 世界遺産 大シルクロード展

『福岡アジア美術館』では2024年3月24日(日)まで『日中平和友好条約45周年 世界遺産 大シルクロード展』を開催中。

今回のこの展示会をぜひ見ておきたいと感じさせる理由の一つは、「世界遺産認定後、中国国外で初めて行われる大規模なシルクロードの展覧会」であることです。

特に今回、中国側の厚意によって“これまでにない規模感”でシルクロードの優れた品々を見ることができる、またとないチャンスとなっていますよ。

中国の「一級文物」など200点が登場!注目の出陳宝物を紹介

今回の展示会には、中国国内27カ所の主要博物館・研究所からシルクロードの文物、関連資料など200点が集結。金銀宝飾品をはじめ、青銅器、ガラス、陶磁器、壁画、絵画、染織、経典、仏像など、「一級文物」45点を間近で見ることができます。 ※一級文物:中国独自の区分で最高級の貴重文物を指すもの

中でも絶対に見ておきたい、注目の展示物をご紹介します。

「瑪瑙象嵌杯」

こちらは、同展示会のメインビジュアルにも採用されている一級文物『瑪瑙象嵌杯』 。

『瑪瑙象嵌金製杯』(6–8世紀、1997年イリ市昭蘇県ボマ古墓出土 、一級文物、高16.0cm、イリ州博物館

『瑪瑙象嵌杯』(5-7世紀、1997年イリ市昭蘇県ボマ古墓出土、一級文物、イリ州博物館)

新疆ウイグル自治区にある墓から出土した金製の杯。器面全体を方角で区画し、その中には赤い貴石(メノウ)がはめこんであります 。

柄は「虎」をかたどったもの。西方の草原地帯の特徴と伝統的手法がうかがえ、草原地帯の遊牧民の文化との関連が指摘されています。

「マニ教ソグド語の手紙」

こちらも一級文物『マニ教ソグド語の手紙』。

『マニ教ソグド語の手紙』(11世紀初め、1981年トルファン・ベゼクリク石窟第65窟出土、一級文物、トルファン博物館)

マニ教の僧侶に宛てた縦書き・草書体のソグド語の手紙です。マニ教の白い帽子や楽人の姿などが描かれているほか、紙継ぎなど各所に朱印が押されている、公文書的な性格が強い文書。ソグド語はシルクロードの国際共通語として重要な役割を果たしました。

「女子俑」

こちらは『女子俑』。

「三彩女子俑」(唐、1959年西安市中堡村唐墓出土、一級文物、高45.2cm 、陝西歴史博物館)

『女子俑』(唐・8世紀、1959年西安市中堡村唐墓出土、一級文物、陝西歴史博物館)

ふくよかな顔と優雅な立ち姿で、“この時代の典型的な唐美人”が表現されているのだそう!

藍色の肌着や長いスカート、斜めにかけるショールなどには、鮮やかな釉(三彩)をかけてあり、顔や頭には彩色を施してあります。

「鳳首杯」

華やかなこちらの器は『鳳首杯』。

『三彩鳳首杯』(唐、1982年西安市韓森寨出土、一級文物、高6.9、長13.6cm、陝西歴史博物館)

『鳳首杯』(唐・8世紀、1982年西安市韓森寨出土、一級文物、陝西歴史博物館)

鳳凰の首とその口から出ている葉で把手が形成されています。胴部のにぎやかな花文様は、西方で愛用された金属器「リュトン(角製の杯)」の形を模したもの。デザインを凝らしたこの杯に、酒を満たして酌み交わす唐人の洒脱な姿が想像できるようです。

「菩薩坐像」

河南省の世界遺産龍門石窟に近い奉先寺遺跡から出土した唐時代の『菩薩坐像』。

「石造菩薩坐像」(唐 、2000年洛陽市奉先寺遺跡出土 、一級文物、高86.5cm、龍門石窟研究院 )

『菩薩坐像』(唐・7-8世紀、2000年洛陽市奉先寺遺跡出土、一級文物、龍門石窟研究院 )

なんといってもウエストの細さ! 胴を極端に絞る美しいプロポーションで、右脚を下路した自然な体勢や豪華な装飾品はインドのグプタ美術の影響です。

まだまだたくさんの貴重な作品が展示されています。ぜひ“アジ美”へ足を運んでみてくださいね。(文/ARNE編集部)

<「日中平和友好条約45周年 世界遺産 大シルクロード展」概要>

会期:2024年1月2日(開催中)~3月24日(日) ※休館日:毎週水曜(ただし、3月20日は開館、3月21日は休館)
時間:9:30~18:00  ※最終入場は30分前
会場:福岡アジア美術館(福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル7F)
観覧料:一般1,600円(1,500円)、高・大生1,000円(900円)、小中生600円(500円)※未就学児無料、( )内は20名以上の団体料金。※再入場不可。※シルクロード展会期中のみ、本展の半券でアジア美術館7Fアジアギャラリーで開催中の「福岡アジア美術館ベストコレクション」展も観覧可能。※次の方は無料となります。身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の提示者本人とその介護者1名、特定医療費(指定難病)受給者証・特定疾患医療受給者証・先天性血液凝固因子障害等医療受給者証・小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者本人。※大学生以下の方は展示室入口にて学生証や生徒手帳をご提示ください。※会期中の電子チケットは当日料金での販売です。電子チケットは購入の際にプレイガイドによって各種手数料が発生する場合があります。
主催:福岡アジア美術館、中国文物交流中心、読売新聞社、FBS福岡放送、西日本新聞社、西日本新聞イベントサービス
問い合わせ:TEL092-263-1100(福岡アジア美術館)
企画協力:
黄山美術社
企画:東京富士美術館
後援:外務省、中国人民対外友好協会、中国大使館、福岡県、福岡県教育委員会、福岡市教育委員会、NIB長崎国際テレビ、KKT熊本県民テレビ、KYT鹿児島読売テレビ
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【参考・画像】
※画像/日中平和友好条約45周年 世界遺産 大シルクロード展
「日中平和友好条約45周年 世界遺産 大シルクロード展」公式HP

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