
【最後の質問に衝撃】久留米の大観音像参拝を10倍楽しむマメ知識 <恐ろしい!?地獄館も>
国道3号線や九州自動車道で久留米市を通過していると、車窓から見える巨大な観音像。多くの方が「ああ!見たことある!」と思い当たるのではないでしょうか。
ですが、「大きい~!」「すご~い!」というだけで通過してしまっていませんか?
仏教検定1級の資格を持つ、私ツバキングが久留米の大観音様を深掘りして、さらなる魅力をお伝えします!
初詣に300万人が集まるあの有名寺院の分院!「成田山久留米分院・明王寺」(久留米市)
観音像があるのは『成田山久留米分院・明王寺』というお寺で、千葉にある『成田山新勝寺』の直系分院にあたります。
新勝寺は、初詣に毎年約300万人の人が訪れるほど、広く信仰を集めているお寺。
久留米にその分院ができたのは昭和33年。開山には、当時の久留米市長らも協力したとのことで、地域を挙げて迎えたことがわかります。
宗派は真言宗。日本仏教界の大スター「空海」が開いた宗派ですね。

画像:Mr.tsubaking
巨大観音像ができるまで
その境内にそびえ立つ巨大な像、正式には『救世慈母(くぜじぼ)大観音』といいます。

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周辺の展示物も含めると5年近くかけて作られ、昭和58年の元日から一般の方も参拝できるようになりました。
その高さはなんと62m!
ビルにするとだいたい21階建てと同じ、寝かせるとサッカーのピッチの横幅と同じくらいという大きさです。
と、いろいろと喩えを駆使しましたが、足元で見上げた時の迫力には敵いません!
同寺の岩元照学師に、建設当時のことも含め、さらに詳しいお話を伺いました。

画像:Mr.tsubaking
「三島設計さんと清水建設さんが担当してくださいましたが、仏像専門ではないので難しかったと思います。特にお顔を表現するのは大変だったみたいで、原寸大のお顔を地上で作って試作されていました。当時、私は中学生でしたが、近くによるとお顔だと気づかないくらい大きかったですよ」
観音菩薩は変身ヒーロー!?
では、観音とはどんな存在なのでしょう?
仏の世界には、大きく分けて「如来・菩薩・天部・明王」という4つのグループがあります。

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観音様は菩薩のグループで、悟りを目指して修行中の身であると同時に、苦しむ人々を救おうとしています。
世界には、いろんな場所でいろんなタイプの苦しみを抱えた人がいますよね?
そのため、観音菩薩はすべての人を救えるよう、いろいろな姿になる「変身ヒーロー」のような存在なのです。
十一面観音、千手観音など、いろいろな名前を聞くのはそのためで、こちらの「救世慈母大観音」も、そのひとつと言えます。
同寺の観音像は赤ちゃんを抱いた姿。
「この赤ちゃんは、私たちみんなのことを表しています。観音様はどんな人でもこうして抱いて見守ってくれているということですね」と岩元照学師は話します。
観音像のワクワクは内側にもあるんです!
「救世慈母大観音」の魅力は、外から見た圧巻の大きさだけではありません。
内側にも学びながらワクワクできるポイントがあります!

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足元から観音像の中に入ることができ、螺旋階段で肩のあたりまで登ることができます(拝観料:大人500円、中高生300円、小学生100円 ※地獄館、救世慈母大観音像、平和大仏塔極楽殿、孝行洞窟共通 ※団体割引などあり)。
筆者が汗をかきながら数えたところ、279段もあったので気合を入れて登ってください!
ただし、途中には彩り鮮やかな仏画や阿弥陀如来坐像、観音像が作られている当時の写真などが並んでおり、楽しく学びながら登ることができます。
もちろん、登頂のご褒美もあります! 外側の壁に、ところどころ窓が穿ってあり、そこからは外の景色を見ることができるのです!

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運が良ければ、遠く長崎・雲仙の姿まで見通せるそうですよ!
さらに、慈母大観音の階段を一段ずつ願いを込め登ることで、煩悩を焼き清め願いが叶うと言われています。
恐ろしい地獄の世界は見逃し厳禁!
観音像の存在感が凄過ぎるので、ほかを見落としてしまいそうになりますが、境内にある『地獄館』は見逃し厳禁です!
その名の通り、地獄の様子が人形で表現された空間。

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薄暗い館内はおどろおどろしく、人感センサーにより人形が動いたり、地獄で苦しむ人々の悲鳴が館内に流れます。
「絶対にこんな地獄に行きたくないな」と再確認できるはずです。
岩元照学師によれば「昔は、おじいちゃんおばあちゃんに『悪いことをすると地獄にいくよ』なんて教えられる環境もありました。しかし、核家族化が進んでそれが減ってきたので、地獄の世界を学んでいただく場という意味もあるんです」とのこと。
訪れて以降、ピリッと身の引き締まった生活ができるようになるでしょう。
日本人がイメージする地獄の様子を決めたのは、平安時代の源信というお坊さんが書いた「往生要集」という本が起源となっています。
現代語訳の本も出ているので、興味ある方はお手に取ってみてもいいかもしれません。

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その上で、この地獄館のようにビジュアルで表現されると、直感的に感情が揺さぶられますね!
御本尊「不動明王」へのお参りも忘れずに!
実は、同寺の本尊は大観音像ではありません。本山である千葉の新勝寺もそうであるように「不動明王」がご本尊として祀られています。
お寺に来て、その中心であるご本尊にお参り・ご挨拶をしないわけにはいきませんので、本堂へも行きましょう。
不動明王は、新勝寺の境内にあった大木を切って彫り出された像だそう。

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真言宗の最高仏は「大日如来」という仏様ですが、不動明王はその化身とされます。
「忿怒相(ふんぬそう)」と呼ばれる怖い表情をしているのは、私たちが悪い道に進まないように力ずくで引き戻そうとしてくれるためとも言われています。

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また、右目と左目がそれぞれ上下を見て牙も上下に出ています。これは、不動明王に特徴的な「天地眼」という表現で、世界中の隅々まで見渡し迷いや苦しみを見逃さないという意味があります。
右手に持っているのは「智剣」で、私たちがなかなか離れられない煩悩を断ち切ってくれます。
左手に持っている縄のようなものは、狩猟に使われていた「索(さく)」という道具。悪事に進もうとする者や、悪い心を縛り上げる意味を持ちます。
見所が尽きない境内を一気にご紹介!
ほかにも、境内にはさまざまな見所が!

画像:Mr.tsubaking
観音像の隣にそびえ立つのは「仏塔」で、仏舎利といわれるお釈迦様の遺骨が収められています。仏舎利という言葉は、お寿司の「シャリ」の語源にもなっています。
仏塔周囲には、世界文化遺産ブッダガヤの近郊で採れた石を現地で彫刻した、仏像も300体並んでいて必見!
中には、オリエンタルな雰囲気の釈迦如来像が祀られていますが、見慣れないポーズをしていますね。これは「降魔印(ごうまいん)」といって、お釈迦さまが悟りを開く瞬間にこの姿になり、魔を追い払った「悪霊退散!」のポーズなのです。

画像:Mr.tsubaking
境内にはそのほか、大黒天や豊かな表情をした五百羅漢像など、思わず見入ってしまうスポットがいっぱいです!

画像:Mr.tsubaking
また、観音像と仏塔をバックにしたフォトスポットも用意されています。
その名も「なりきり不動」。御本尊である不動明王になりきって、写真を撮ってみてください!
筆者も、頑張って忿怒相で撮影!

画像:Mr.tsubaking
ちなみに、筆者は煩悩まみれなので、最後に「この観音さま、作るのにいくらかかったんですか?」と下世話な質問をしてみました。
すると岩元照学師は、寛大な心で「今とは物価がまるで違いますが、当時のお金で約22億円かかりました」と教えてくれました。
いつもは遠くから「大きいな~」と通り過ぎてしまう久留米の大観音像、これだけ魅力がたっぷりですので、ぜひじっくり体感してみてください!(文/Mr.tsubaking)
<施設情報の詳細は店名をクリック↓>
■成田山久留米分院・明王寺
住所:福岡県久留米市上津町1386-22
参拝時間:8:30〜16:00(土日祝は17:00まで)
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