福岡ゆかりの人に、「お仕事」の話から、個人的に推している「推しごと」の話まで、普段聞けないいろんなことを聞く『ARNE』のインタビュー企画『私の推しごと』。
#42は、漫才頂上決戦『M-1グランプリ 2025』チャンピオン、『たくろう』の赤木裕さんときむらバンドさんの登場です。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
M-1優勝で劇的に変わった生活から、変わらない推しまで。『たくろう』のリアルな今を深掘りします。

画像:吉本興業
2016年結成、吉本興業所属のお笑いコンビ。「M-1グランプリ 2025」で優勝し、21代王者に。2026年4月より、東京に拠点を移して活動中。
■赤木裕(あかぎ・ゆう)さん(写真左)
1991年10月24日生まれ、滋賀県出身。NSC(吉本総合芸能学院)大阪37期。
■きむらバンドさん(写真右)
1990年1月28日生まれ、愛媛県出身。NSC大阪36期。
Index
「お仕事」について
Q:お二人がそもそもお笑いを始めたきっかけは?
きむら 愛媛の大学で、廃部寸前の落語研究部に入ったことですかね。大阪や東京みたいに大学でお笑いが盛んというわけじゃなかったんですが、これがもう楽しくてね。
―きむらさんは、明石家さんまさんと木村拓哉さんのファンだそうですね。
きむら はい、命あるものの中で一番好きです。それはもう小さい頃からで、将来はお二人のように芸人かアイドルになりたいと思っていたんですが、小3あたりから前歯が出てきまして。歯科矯正という文化を知らなかったので、ほなお笑いでいこうと決めました。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
―赤木さんはどうでした?
赤木 小学校で文化祭みたいなのがあって、僕はお笑い委員で。同級生と漫才やったりしてました。
―今ネタを作っているのは赤木さんだそうですが、その頃から?
赤木 いや、当時は作れなかったので、先生がみんなに「一くだり、一ぼけ作ってこい」と宿題を出してくれて、それを僕らが採用・不採用って決めて披露してました。
きむら だいぶ偉そうやねえ。
Q:コンビ結成して10年。M-1優勝の前と後、生活は変わりましたか?
きむら そらもう、タクシーもバンバン使うし、成金ですわ(笑)。今年、東京に拠点を移したのも大きな変化ですね。テレビ局に入るのに緊張してたのが、だいぶ落ち着いて入れるようになりました。
―赤木さんから見て、きむらさんの変化は?
赤木 あまり変わらないですね。ギャンブラー、とにかくボートレース。狂ったように朝から晩までボートレース。タバコ吸って、ボートレースして、コーヒー飲んで。基本的に喫煙所。以前は競馬とかパチンコもしてたけど、今はもうボートレースに絞った感じですね。変わったことと言ったらそれくらい。ボートレース1本でいくんだという覚悟が見えます。
きむら バレてたな。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
―赤木さんご自身はどうです?
赤木 東京に出て、ショッピングというものをするようになりました。今までは百貨店とか行っても楽しくなかった。どうせ買えないから。でも今は全部買える可能性があると思ったら、やっぱり楽しいです。
きむら 我々、人生で初めて金を持ったんで。
―特に印象的なお買い物は?
赤木 百貨店で、イチロー選手のサイン入りユニフォームを買いました。額入りで45万円くらい。
―『たくろう』というコンビ名は、赤木さんの好きなイチロー選手と、きむらさんが好きな木村拓哉さんの名前を組み合わせたというのは?
赤木 本当です。だからもう、ここで出会うのは運命やと思ったんですよね。ただ家は賃貸なので壁に穴を開けられないから、有孔ボードを買ってきてそれに飾ってるんですけど、これがすごく安っぽく見える。だからもう、穴開けたろうと思います。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
きむら おお、いく?
赤木 目立たんようにね。
Q:全国を飛びまわる忙しい毎日だと思いますが、必ず持ち歩いているものはありますか?
きむら タバコですね、3箱はストックでカバンに入れてます。この仕事を頑張れてるのは、合間に吸うタバコの一服がもうたまらんから。絶対切らしたくないんです。あと一応、お肌のパックも。M-1優勝後はメイクをしていただけるようになったのでね。人生で初めて身なりに気をつかってます。
―きむらさん、おしゃれなイメージがありますが。
きむら よく言っていただけるんですが、自分の意思は全くなくて。衣装も決めてもらってますし、洋服も、まわりのおしゃれな人に教えてもらったり、差し入れでいただいたり。自分の意思で買うのはパンツだけです。動物が好きなので、『HIPSHOP』の動物の顔のパンツ。これは絶対自分で買いたい。あと、『グラニフ』の威嚇ポーズのレッサーパンダがデザインされた『イカク』シリーズも。レッサーパンダが好きなんです。その2つ以外は興味ないですね。
赤木 僕は耳かきです。すごい耳かきが好きで、もう何も出ないんですけど。たぶんやりすぎてる。
きむら 危ないわ。
赤木 道具には別にこだわりなくて、どこにでもある木の棒のやつ。いつ買ったかもわからない……というか、たぶん僕のじゃない。どこかで間違えて持ってきた気がします。
Q:『よしもと福岡 大和証券劇場』にも定期的に出演されてますね。先日(取材前日8月30日)は福岡に泊まられたとか。どう過ごされました?
きむら もう、マジで最高。『しゃかりき』の光ママさん行きつけの居酒屋さんで焼鳥やお魚をいただいて、シメは『博多だるま』のラーメン。すばらしい夜でした。福岡はすべての食べ物のアベレージが異常に高い。ちょっとレベルが違いますね。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
―きむらさん、お酒は?
きむら 全く飲めません。完全に飲んでるような口ぶりでしたが(笑)。でも飲みの席はめっちゃ好きです。これまで福岡に泊まってゆっくりご飯っていう機会はほとんどなかったので、うれしかったです。
―赤木さんも一緒でしたか?
赤木 いや、僕はすぐホテルに帰りました。地方に行ってもあまり外に出ないですね。
―夜ごはんは何を?
赤木 なんやったかなあ、博多っぽいものをデリバリーして食べました。めっちゃニンニクの……『びっくり亭』?

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
きむら え! 『びっくり亭』食べたん? おれらは昨日迷って、次回に持ち越したのよ。
赤木 う、えー? そんな有名なの?
きむら 飯めっちゃ進むんやろ?
赤木 めっちゃ進む。めっちゃおいしかった。昨日は野球やってたんで、巨人の試合見ながらで楽しい時間でしたよ。まあ、負けましたけど。
「お仕事」のイチ押し
スタンディング、ライブハウスならではの爆音、出演者がそれぞれ選曲した出囃子(でばやし)。フェス感たっぷりの漫才イベント『爆音漫才選集』が初めて福岡にやって来ます! 出演は、人気実力ともに申し分のない漫才コンビ14組。チケット残りわずかです。

画像:吉本興業
Q:『たくろう』さんは東京で開催された『爆音漫才選集』に出演経験がありますね。どんなイベントなんでしょう?
きむら 僕らがステージに出るときに流す出囃子は普段10秒くらいですが、『爆音漫才選集』ではその名の通り、各演者が好きな曲を爆音で、好きな尺流してから「どうもー」って出ていきます。お笑い好きでよく漫才を見に来られるという方も、いつもとは違う雰囲気の中で楽しめると思いますよ。
―お客さんは立ったまま漫才を楽しむんですよね?
きむら 結構スタンディングの漫才イベントってあるんですよ。フェス感が出るので、お客さんもテンションが上がってる感じがして反応が良く、僕らもやっててすごく楽しいです。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
―『たくろう』さんは、これまでどんな選曲を?
赤木 僕らの出囃子はいつも『名探偵コナン』のテーマソングなんですけど、以前このイベントに出させてもらった時は確か、『GOING STEADY』の『BABY BABY』やったかな。好きな曲を爆音で流して、ちゃんとサビまで聴いてからステージに出ていくので、僕らもテンション上がりますね。今回何にするかは、お楽しみです。
きむら 生で観る漫才ってめちゃくちゃおもしろいです。いつも来られる方も初めての方も、どなたでも来て楽しんでいただけるイベントです。ぜひお越しください!
<「福岡爆音漫才選集」開催概要>
公演日程:2026年10月30日(金)【1部】13:45開場/14:30開演【2部】18:15開場/19:00開演
会場:Zepp Fukuoka
料金:【1Fスタンディング(整理番号付)】前売5,000円/当日5,500円【2Fスタンディング(整理番号付)】前売5,000円/当日5,500円 ※前売券が完売した際には、当日券がない場合があります。
出演:たくろう、囲碁将棋、エバース、カナメストーン、金魚番長、銀シャリ、金属バット、三四郎、ジョックロック、ツートライブ、ニッポンの社長、バッテリィズ、めぞん、ヨネダ2000
公式サイト:https://live.yoshimoto.co.jp/live/live-31003/(リンクはこちら)
「推しごと」について
次に、『たくろう』赤木裕さん、きむらバンドさんの「お仕事」の平均的な1日、そして「推しごと」を楽しむ休日のタイムスケジュールを教えていただきました。これを見ながら、「推し」について聞いていきます。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
まずは赤木裕さんから。

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Q:推しは何ですか?

画像:ARNE
赤木 巨人です。東京ドームも、2軍戦もよく観に行きます。
―ファンになったきっかけは?
赤木 お父さんが巨人ファンで、毎日テレビで巨人戦を見てたから、その影響が大きいですね。僕は滋賀出身で、まわりは阪神ファンばかりだったけど、当時の巨人はめちゃくちゃ強くて、完全に野球界の中心で。だからなんと言うか、体が弱い、勉強もできない僕が唯一まわりより優位に立てる部分というか。それが巨人でした。
―今の巨人の魅力は?
赤木 今シーズンいろいろありました。もう今年は諦めようかと思っていたら、橋上監督代行の手腕で、なんやったら調子良くなってるまである。だから今、楽しいですよ。苦しい年だったからこそ、今だからこそファン一丸となって応援したいですね。

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―2軍もチェックされるんですね。
赤木 大事ですね。僕が特に応援してるキャベッジ選手(※現在は1軍)やキャッチャーの岸田選手などが2軍にいってるので、状態を確認しておかないと。それに2軍戦、行くと楽しいんですよ。選手の声がはっきり聞こえるし。
―お仕事で巨人の選手と会ったことは?
赤木 1~2回ありますけど、緊張します。ずっと見てきた選手ですし、やっぱりね、野球うまい人ってオラオラ系の可能性が高いと思って接しなければならないので。プロ野球選手ともなると、もう人間的に落ち着いているんだけど、やっぱりちょっと怖い。学生時代の野球うまかったやつらの態度がこびりついてるから。
きむら それはそうやな。頭にこびりつくわな。
赤木 だからまだ、腹割っては話せない。
きむら 早いんちゃうか。初回で腹割るのは。
Q:タイムスケジュールによると、1日4回の「漫才出番」の間にいろいろ出かけるんですね?
赤木 自転車でふらふら走ったり、ファミレスで過ごしたりしてます。基本、楽屋にはいないです。これは新宿の『ルミネtheよしもと』の仕事の日を書いてみたんですけど、ルミネ周りのファミレスは無人化が進んでて、注文はタッチパネル、配膳はロボット、会計も無人レジ。人と絡まずに過ごせるから好きです。
Q:お休みの日は銀座や浜松町でお買い物したり?
きむら 相方から「銀座でショッピング」って言葉が出てくるなんてショックですね。ほんまに二人とも物欲ないし、おしゃれも興味ないし、なんもなかったのに、「銀座でショッピング」なんて。お前先行くなよ、おれ置いていくなよ。

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赤木 銀座で3,000円のパンケーキ食べたり。
きむら こいつ! やってますわ。
続いて、きむらバンドさん。

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Q:推しは何ですか?

画像:ARNE
きむら ボートレースです。でも今はありがたいことにお休みがほぼなくて、昨年末のM-1から今日までで4日あった休みのうち、2日をボートレースに使ってます。
―タイムスケジュールにも「ボートレース場で真剣勝負!」とありますね。始めたのはいつ?
きむら 2021年頃、割と最近です。知れば知るほどめっちゃ深い競技で、さっき赤木が言ったように、もうボートレース一本に絞ってますね。
―どういうところが深いんですか?
きむら ボートレースってメンタルスポーツだと思うんですよ。スタートでフライングすると30日間出場停止になるから、みんな絶対フライングしたくない、でもフライングしないように走ると勝てない。上に上がりたいなら、フライングギリギリを攻めなきゃいけないんです。
芸人も、すべったら仕事減るけど、すべらないだけでは上に行けない。なんか僕らの仕事と重ねてしまうんですよね。ボートレースという勝負の世界で生きてる人たちから勇気もらえるんです。
あと、こんなに年齢も性別も問わず戦うスポーツってないと思いません? 10代から70代まで選手がいるんですよ。ベテランはベテランの戦い方があって、若い子は勢いがある。それで70代が勝ったりする。芸人の世界も上めっちゃ詰まってますからね、そういう面でもおもしろいです。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
―推しの選手は?
きむら 茅原悠紀選手です。オールマイティーにどんなこともできてしまう方で、大好きなんです。逆境でも、モーターが悪い時でも、あるレベルまでは必ず状態を上げて結果を出してくる。常にコンディションが一定なところに憧れます。
―茅原選手にお会いになったことは?
きむら ないんですよ。そんなスーパースターと何話したらいいか全然わかりませんが、もしかしたらいつかどこかで会えるかもと、それも楽しみに頑張ります。
Q:最後に、今後の目標とファンの皆さんにメッセージをお願いします。
きむら 目標は、来年もしっかり生き残る、です。この一年チャンピオンという肩書きをいただいて、『たくろう万博』(2026年11月7、8日)など大規模なお仕事もさせていただいて、やっぱりすごい世界やなって思います。また新しいチャンピオンが出てきても、来年もこのメンツの中で仕事できるように頑張ります。今こそ、ファンの皆さま、お力添えをお願いします!
(写真は「ARNE」の「A」のポーズ)

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
赤木 本当に今忙しくて大変ですけど、とにかくこの1年は踏ん張って、なんとか乗り切って、来年からは何かしら自分らのできるを仕事を見つけたいですね。楽しくやれる仕事を。まあ、楽しくないことも多いです、やっぱり、この芸能界。
きむら どうしたんや、急に(笑)。もう終わりっていうときに。
赤木 とにかく今は働き時なので、40ぐらいまではがむしゃらに、身を粉にして働く。巨人も頑張ってますし、僕らも頑張ろうと思います。大変なことも、いろいろありますけれども。

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
―そこ詳しく聞きたいところですが(笑)。
赤木 まあですね、来年もいろいろ乗り越えていこうということで。明確な目標はないですけど、がむしゃらに、この芸能界にしがみついていこうと思ってます。だからファンの皆さん、これからも毎年新しいM-1チャンピオンが出てきますが、そちらに乗りかえることのないように! 応援してもいいんですけど。
きむら もちろん。掛け持ちはオッケー。
赤木 入れ替わりの激しい時代だからちょっと気を抜くと忘れ去られるんですけど……忘れないようにね! 『たくろう』のことを! 「私は今ここにいるよ!」と言いたいですね。いつまでもあの日、M-1決勝で見せた『たくろう』の姿を忘れないようにお願いしますね!

画像:ARNE/撮影:山辺学(calm photo)
<取材を終えて>
こんなに何度もインタビュー音源を聞き返したことがあったでしょうか。お二人のかけ合いがむちゃくちゃおもしろいのはもちろん、声もいいんです。皆さん、生の『たくろう』をぜひ。(取材・文/重川朋子)
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