「私の生理、大丈夫?」「病院受診のタイミングは?」医師が教える生理にまつわるセルフチェックのポイント
誰かに相談する機会がなかなかないのが、“生理”のこと。
「これは普通なの?」と気になっても、いつでもどこでも誰でも話せることでもないし……。なんだか変だと感じつつも、医者に行くタイミングを迷うという女性も多いはず。
だからこそ、受診の目安になるセルフチェックポイントは知っておきたいですよね!
FM福岡の『やさしく解説:産婦人科のおはなし』でも活躍中の、「青葉レディースクリニック」(福岡市東区)の小松一 院長に聞きました。
あなたは“問題なし”ですか?「正常な生理」のポイント4つ
正常な生理=月経を考えるポイントは4つです。それは
(1)月経の期間
(2)月経の周期
(3)出血の量と性状
(4)月経痛の有無
です。
通常、月経は期間が3〜7日間で、25〜38日の一定した規則的な周期が正常です。
月経周期が28〜30日間の場合、月経開始日から数えて14〜15日目頃に排卵します。基礎体温を付けている方では排卵後、高温相に移行します。
実は月経の“期間”も“周期”のどちらとも、短くても、長くても、正常な月経とはいえません。基本的にどちらの場合でも正常な排卵ができていない場合が多いので、妊娠を考えている方は早めに受診しましょう。
また、月経周期が不規則な場合、いわゆる月経不順でも、「毎回、正常な排卵をしていないから、周期が乱れている」と考えますので、なかなか妊娠しない場合は相談しましょう。
3ヶ月以上、生理が来ない……どういうこと?
3ヶ月間以上、月経が来ない場合は「無月経」といって、婦人科受診を勧めています。
病院では超音波検査や採血をしますが、偶然、大きな卵巣腫瘍が見つかったり、甲状腺疾患や乳汁分泌を促すホルモンが高い、いわゆる「高プロラクチン血症」が見つかることもあります。
受診の際には月経周期の正確なメモや基礎体温表は正確な診断に役立ちますので、ぜひ持参してください。
今のところ妊娠を考えていない方でも、最近、以下のようなことがある場合は貧血に注意しましょう。
・月経の期間が長くなって、出血がなかなか止まらない
・出血の量が多くて大きな血の塊がゴロゴロ出る
・逆にサラサラした出血が多い
・月経周期が短く、月に2回月経がある
特に、「最近、疲れやすくて、息切れがする」「だるい」「日中眠い」などの症状は重症の貧血である疑いがあるので、しっかり検査を受けて、早く治療を受けましょう。
なお、出血の量は正確に測れないので、自分では判断が難しいと思いますが、一般的には昼間でも夜用ナプキンが手放せない方や、夜用ナプキンでも漏れるくらいのときは出血が多いと考えられます。
月経以外に出血がある場合や、月経痛がひどい場合は…
月経以外に出血があるのは、排卵時や受精卵の着床時の中間期出血を除いて、すべて「不正出血」です。
正常か異常かの自己判断は難しく、概ね40歳以上で、定期的に子宮がん検診をしてないという方は婦人科を受診しましょう。
月経痛がひどくて、性交渉時や排便時にも痛みを伴う、なかなか妊娠しないなどの場合は子宮内膜症を疑います。
エコー検査では、子宮に大小さまざまな大きさの子宮筋腫が見つかったり、子宮の壁(=筋層・きんそう)が厚くて、子宮が大きく肥大(=子宮腺筋症・せんきんしょう)していたり、卵巣に月経血のような出血が溜まった卵巣チョコレート嚢腫(のうしゅ)が見つかることもあります。
子宮内膜症では、卵巣周囲や卵管が癒着していて、正常な排卵や受精ができなくなり、不妊症の原因となりますので、ひどくなる前に積極的な治療を勧めています。
通常、年齢とともに月経血は少なく、期間も短くなる傾向がありますが、いつまで経っても……たとえば40歳以降も月経血が多い場合は、念のため、超音波検査や子宮体がんの検査を受けましょう。
ちなみにいつもの月経と違って、今回の月経は出血が少なくて、しかも短いときは、常に「妊娠」の可能性を考えます。心当たりのある方は市販の妊娠検査をしてみましょう。(文/小松一 )
誰にもいえない女性の体の悩みに答えてくれる、小松先生の本が出ました!
今回のような話、もっと詳しく知りたいと思った人にはこちら。今回教えてくれた小松一院長が2020年10月28日(水)本を出しますよ。
【参考】
※『やさしく解説 産婦人科のおはなし』/小松 一/1540円(税込)/青春出版社
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※この記事は公開時点での情報です。
【参考・画像】
※小松一(青葉レディースクリニック院長)
※ViDI Studio、maroke、Cat Box/Suhtterstock