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島田珠代 インタビュー 私の推しごと 

公私の顔が違いすぎる!「吉本新喜劇」島田珠代さんインタビュー【私の推しごと#25】

2025.11.11

「推しごと」について

次に島田珠代さんの「お仕事」の平均的な1日、そして「推しごと」を楽しむ休日のタイムスケジュールを教えていただきました。

これを見ながら、「推し」について聞いていきます。

島田珠代 インタビュー タイムスケジュール

画像:ARNE

Q:珠代さんの「推し」は何ですか?

ヒロシですね……もうまんまとハマってる感じです。

島田珠代 インタビュー 私の推しごと 

画像:ARNE/撮影:田中紀彦(Studio Red Star)

Q:【お仕事の1日】【推しのある1日】どちらのタイムスケジュールにも、夜は「娘とヒロシが帰りごはんを食べる」とありますね。珠代さん自身は「夕食は食べない」けれど、2人に用意されているんですね。

もちろんです。ヒロシはお付き合いして8年になるパートナーで、今は高校2年の娘と3人でほとんど一緒に暮らしています。ヒロシは私より3つ上で58歳。一緒にご飯を食べたり、お酒を飲んだり、ケンカしたり仲直りしたりして楽しく過ごしています。でも、つい先々週くらいに決まった話なんですが……ヒロシが親御さんの介護のために、来春、地元の千葉に帰ることになって(涙)。

島田珠代 インタビュー 私の推しごと 

画像:ARNE/撮影:田中紀彦(Studio Red Star)

−なんと。珠代さん大丈夫ですか?

ヒロシの前では「介護頑張りやー」とか明るく言って、引っ越しの準備を手伝ったりして強がっていたんですが、一人になるとガックリきて……。「春になったらヒロシはもう、(いつも座っている)この椅子に座らないんだ」って思うと、お風呂で泣いちゃったり。介護がひと段落したら大阪に帰ってくるとは言ってますが、とにかく春からヒロシがここにいないという現実が耐えられない。仕事中にふと考えて気分が滅入ってしまい、先週私、吉本に入って初めて体調を崩したんです。「病は気から」ってよく言うけど本当だなあと、気持ちって大事だなと痛感しました。

−ヒロシさんはお医者さまだとか。

大阪では勤務医をしていて、これから東京の病院に面接に行ったりするみたいです。介護と仕事で大変なんじゃないかと思うんですが、ヒロシ、何にもできないから、どうしよう……向こうで「私がお手伝いするわ」なんていう女の人が現れたら(涙)。そうなったらもう本当のお別れかもしれないなあって思ったりして。

−考えすぎですよ!

来春からヒロシがいなくなって、その次の年は娘が受験で、東京の大学を志望しているようなので娘も出て行ったら、猫と「ゆき姉さん」と3人の生活になりますね。このタイムスケジュールもだいぶ変わってきそうです。

島田珠代 インタビュー 私の推しごと パンティーテックス

画像:ARNE/撮影:田中紀彦(Studio Red Star)

Q:娘さんは4歳の頃に、母である珠代さんと離れてお父さんのもとで生活することになり、お父さんががんで亡くなったあと、12歳から再び珠代さんと同居しているそうですね。数カ月、珠代さんとは一切口もきかない時期もあったとか。

今はそれを乗り越えて、友達みたいに大笑いしながら暮らしています。中学生になった娘とまた暮らせるようになったとき、私がまず考えたのは、「学校で娘がいじめられないように、お母さんが新喜劇の三枚目だからと指差されないように、芸人としてもお母さんとしても強くならなきゃ」ということ。ツッコまれて笑いを取るというこれまでのスタイルに加えて、自分から何かを発信して笑わせる芸風にも挑戦してみようと考えました。それが「パンティーテックス」の楽曲とか「おばちゃんダンス」とか。それまでは、少しでもすべったら「もう二度とせんとこ」って落ち込むタイプだった私にとって、新しいことに挑戦するのはすごく勇気のいることだったんです。でもヒロシがそばにいると、何も怖くなくなって。親権が元夫にあって娘となかなか会えない日々とか、もう本当に大変だった時期からヒロシはずっと支えてくれていました。

島田珠代 インタビュー 私の推しごと 

画像:ARNE/撮影:田中紀彦(Studio Red Star)

−ヒロシさんの存在、大きいですね。

すごく頭のいい人で、私の仕事面でのプロデュースのようなこともしてくれていたんです。「明日はどういうお仕事ですか?」と聞いてくれるのでいろいろ話すと、「珠代さん、それはあなたが前に出過ぎてはいけないですよ」「一緒に出る先輩の芸人さんを立てる回ですよ」とかアドバイスしてくれて。頼りにしてました。

−毎晩のように「ヒロシとケンカ」と書かれていますが、どんな理由で?

すべて私のヤキモチです。帰りが遅いと心配になって、「なんでこんな時間になるの?」と。「診療後に紹介状を書くのに時間がかかって大変なんですよ」とか説明はしてくれるんですが、信じられない。変な話、ヒロシは私だけの先生、教祖ぐらいまでいってます。私以外の誰かにヒロシの考え方を教えてるんじゃないかと想像したら……ムリです。

島田珠代 インタビュー 私の推しごと 

画像:ARNE/撮影:田中紀彦(Studio Red Star)

Q:そんなヒロシさんと離れて暮らすことになって……改めて大丈夫ですか、珠代さん。

もう、良い方向に変わるように願うしかないですよね。ヒロシと出会ってからこの8年で本当に自分自身が変わったし、仕事も広がったし、娘とヒロシには心から感謝しています。人ってこんなに気持ちひとつで変われるものなんだなあ。誰かに背中を押してもらったり、アドバイスを受けたり、人の意見を聞くって大事です。

−年齢を重ねるほど、素直に人の意見を聞き入れることが難しくなるように思うのですが、珠代さんは違いますか?

受け入れ態勢万全です(笑)。新喜劇のツッコミのメンバーからもよく言われるんですが、これ言ったら怒るだろうなっていうことでも、私は「そうなんですよ」っていったん全部受け入れるって。これからも人の意見を丸ごと受け入れて、何を言われても怒らない、笑っていられる、そういう強さを持ち続けたいと思います。

Q:最後に、ファンの皆さまに一言。

人って気持ちでいろんなことを変えられると思うんです。人生は才能の有無では決まらない。病も含めてどうしようもない時もあるけれど、気持ちだけはいつも前向きに、気持ちですべてを動かしていってください。

(写真は、ARNEの「A」ポーズ)

島田珠代 インタビュー 私の推しごと 

画像:ARNE/撮影:田中紀彦(Studio Red Star)

<取材を終えて>

どんなときも笑わせてくれる、ずっと大好きな珠代さん。今回、笑顔の裏の悩みや苦労についても率直に語っていただき、強さと弱さのアンバランスさがなんとも魅力的で引き込まれました。今後も“人間・島田珠代”を追い続けたいです。(取材・文/重川朋子)

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【参考・画像】
※撮影/田中紀彦(Studio Red Star)

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