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ゾッとする!“日常にひそむ恐怖”に背筋が凍る最恐ホラー映画2選

2020.08.27

どうもこんにちは。福岡映画部の石渡麻美です。

みなさん、映画観てますかー?

うだるような暑さがまだまだ続く日々。涼しいお部屋で毛布とアイス……そして、夏の終わりのホラー映画はいかがでしょうか? 今回は、背中をひんや〜りとさせてくれる日本のホラー映画2本をご紹介します。

1:ジャパニーズホラーといえば!ゼロ年代、ジャパニーズホラーの火付け役「リング」

画像:KADOKAWA (C) 1998「リング」「らせん」製作委員会

〈あらすじ〉

ちまたで呪いのビデオが噂になっている。そのビデオを観たものは1週間以内に死ぬという。

ジャーナリストの浅川玲子はその噂をめぐる不可解な死亡事件を追っていた。ある日、呪いのビデオを見つけた浅川はそのテープを観てしまう。

7日間のカウントダウンが始まった浅川は、元夫の高山竜司に相談。しかし、高山もまた、そのビデオテープを観てしまうのだった。

連鎖する呪いの中、彼らはビデオの呪いを解く方法を探すが……。

リング

画像:KADOKAWA

『リング HI-BIT EDITION』
価格:DVD 3,800円(税別)
発売元:株式会社KADOKAWA、販売元:ポニーキャニオン

〈石渡的注目ポイント〉

私、実は日本のホラーが大の苦手です。

いまここにある日常を恐怖が侵食してくるあの感じ、あれ本当〜に怖くないですか? 後に「呪怨」や「着信アリ」など、日常脅かす系映画はたくさん登場しますが、やっぱりJホラーブームの火付け役となったのはこの映画です。

1961年に発売された鈴木光司の同名小説を原作に、後に続くシリーズの第1作として公開された「リング」。

この映画の怖いところは、びっくりドッキリ系ホラーではなく、見えない恐怖がじりじりと詰め寄ってくるところ。サスペンスタッチで事件を追いながら、何度も繰り返し呪いのビデオを観せられる。そして、クライマックスではついに禁断の一線を超えた恐怖が侵食してくる。

今でこそ世界的ホラーアイコンとしてパロディー化すらされている貞子ですが、当時、ぎりぎりビデオ&ブラウン管テレビ世代だった私には、日常に恐怖がはい出してくるようで、本当にやめてほしかった……。

久しぶりに観返しても、やっぱり「背後に何かいる」感を感じる恐ろしさは健在だし、ブラウン管テレビにビデオデッキなんてなくなった今だからこそ、映画自体の映像の古さに不気味さも感じる。そしてなにより、役者たちの死に顔が本当に怖い! あの顔、家で練習したのかな……なんて思うと結構シュールでもありますが。

「リング」シリーズといえば、ヒロイン演じる女優たちの豪華顔ぶれも注目ポイント。本作では映画初主演となった松嶋菜々子が主人公・浅川玲子を演じています。

のちに国内外で続くシリーズと合わせて、楽しんでみてはいかがでしょうか?

2:何かわからないものを繰り返し見せられる恐怖「CURE」

画像:KADOKAWA  (C)1997KADOKAWA

〈あらすじ〉

奇妙な連続殺人事件が発生。犯人同士に接点はないものの、被害者の首から胸までをX字に切り裂くという手口は同じ。

犯人はみな、なぜ殺したのか動機の記憶がなく、逃亡することもなく事件後すぐに逮捕されている。次第に、事件に関係のある人物として、間宮の存在が浮かび上がる。

CURE

画像:KADOKAWA

『CURE』 (C) 1997KADOKAWA
価格:DVD 2,800円+税、発売元・販売元:株式会社KADOKAWA

〈石渡的注目ポイント〉

もー、大好きなんです! 黒沢清監督映画。おすすめできるのが本当にうれしい! まったく、どうしようもなく不気味で、どうしようもなく完璧。初めてこの監督の映画を観たときの衝撃たるや。「こんなに気味が悪くて美しい日本映画があるのか」と衝撃を受けたことを覚えています。

一言でいうなら「違和感」。日常の1シーンを写しているはずなのに、どう考えても何かがおかしい。でも、決定的な「何か」が写っているわけではない……。しかし、あるタイミングを境に「ここではないどこか」へと、完全な「あちらの世界」へと越境してしまう……。黒沢清監督作品には、そんな映画が多くあります。

そして、そんな中で最もおすすめしたいのが本作「CURE」。黒沢監督が、国際的な評価を得るきっかけとなった作品として知られています。ジャンルとしてはサイコサスペンスともいえますが、荻原聖人演じる記憶喪失の男・間宮のつかみ所のなさと、繰り返し見せられる「火」や「水」の規則的な動きは、観ているこちらまで「CURE」されるのではないかという、ホラーより恐ろしい何かを感じさせます。

そして、黒沢監督の十八番、「ここではないどこかへ向かう自動車の旅」を境に物語はクライマックスへ突入し、「薄汚れたビニールカーテンの向こう側(にいるなにか)」では物語の鍵となる存在と出会います。ラストには、(私的)役所広司史上一番怖いんじゃないかと思う食事シーンと衝撃の幕切れ……。

レクター博士もびっくりなことの顛末に、呆気にとられること間違いなし。もちろん、「羊たちの沈黙」がお好きな方には絶対おすすめしたい一本です!

以上、「真夏のジャパニーズホラームービー」2作品をご紹介しました!

いかがだったでしょうか? ちなみに、黒沢清監督作品のホラーといえば、「回路」も怖くておすすめです。「CURE」よりホラー感強めで、「リング」のような霊的な怖さがあります。お好きだった方は、ぜひ、マニアックに「ひとり黒沢清映画祭」を敢行してみてはいかがでしょうか?

その際には、「ここではないどこか」へ行ってしまうことのないよう、どうかお気をつけて……。(文/石渡麻美)

【参考・画像】

※石渡麻美(福岡映画部)

KADOKAWA

映画『リング』公式サイト

映画『CURE』公式サイト

この情報は公開日時点での情報です。

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