
【蔦屋書店員おすすめ本】今こそ読みたい「大人の学び」にぴったりの5冊(教養・アート編)
本のプロ・書店員さんに聞いたおすすめ本をご紹介。
今回は、『福岡天神 蔦屋書店』の内野京子さん・廣瀬理恵さん・奥西かずささんに、「大人の学び」をテーマにセレクトしてもらいました。
3回にわたってお届けする、第1弾は「教養・アート」ジャンルの5冊。
芸術の秋、哀愁の秋に読みたいラインナップです。
1:名画と建造物/中野 京子(著)/KADOKAWA

画像:KADOKAWA
『名画と建造物』
著者:中野京子
発行:KADOKAWA
価格: 2,035円
HP:https://www.kadokawa.co.jp/product/322102000161/
概要
ベストセラー「怖い絵」の著者が、名画に描かれた建造物を解説!
映画「サイコ」の家、スフィンクスに登る侍、印象派のエッフェル塔嫌い――。
20の名画が伝える時代の息吹きを読む、絵画鑑賞本!
過去と現在の比較ができるよう、写真も掲載。
歴史を学び、観光案内にもおすすめです!
クロード・モネ『サン・ラザール駅』
マルク・シャガール『七本指の自画像』
スタフ・クリムト『旧ブルク劇場の観客席』
フィンセント・ファン・ゴッホ『アルルの跳ね橋』
エドワード・ホッパー『線路脇の家』など
(「KADOKAWA」WEBサイトより引用)
おすすめポイント
長く暑い夏の、トンネルの出口の光がキラリと見えたが、秋本番まではまだまだ遠い……せめて脳内だけでも「芸術の秋」を感じたい。そんなあなたにオススメの一冊です。
人物や風景に焦点をあてた絵画指南書は多いですが、こちらは「構造物」。一枚の絵画から当時のインフラ事情や歴史的背景を学ぶことができます。
そんな見方があったんだ!と、絵画の楽しみ方に新たな視点を与えてくれますよ。
(紹介された絵の)拡大図が記載されていないので、個人的には虫眼鏡片手に読むと、より楽しめるので、ぜひ! 美術館で鑑賞するのとは一味違う近距離で、じっくり堪能してください(推薦者/内野京子さん)。
2:おうちで楽しむ にほんの行事/広田千悦子(著)/技術評論社

画像:技術評論社
『おうちで楽しむ にほんの行事』
著者:広田千悦子
発行:技術評論社
価格:1,628円
HP:https://gihyo.jp/book/2006/4-7741-2952-6
概要
かつては毎日の暮らしに溶け込んでいた日本独特の行事やならわし。
本書は、イラストでわかりやすく、「年中行事」の楽しみかたを紹介します。「鏡開き」「ひなまつり」「お月見」などよく知るものから、「野点」「ビーチコーミング」「冬のユズ湯」、さらには「書き初め」や旬の食材の使いかたまで季節を楽しむヒントが満載。
昔ながらの行事、四季を無理なく自宅で簡単に楽しむための1冊です。(「技術評論社」WEBサイトより引用)
おすすめポイント
知っているようで知らない、昔ながらの日本の行事について楽しく学べる“くらしの教科書”的な一冊。
日々に追われじっくり季節を感じることが少なくなっている気がしますが、そんな時にこそ読みたい本です。
ちょっとした豆知識も満載で、毎日をちょっと丁寧に暮らしたくなります。今の時期なら「せいろで蒸しごはん」ページは必見。
かわいいイラストで、見ているだけで気持ちもほっこり。
子どもと一緒に楽しむのにもおすすめです(推薦者/廣瀬理恵さん)。
3:大人の友情/河合 隼雄(著)/朝日新聞出版

画像:朝日新聞出版
『大人の友情』
著者:河合隼雄
発行:朝日新聞出版
仕様:文庫版
価格:748円
HP:https://publications.asahi.com/product/9106.html
概要
あなたは友人の出世を喜べますか? 人はなぜ裏切るのでしょう? 夫婦、男女、そして上司と部下の友情とは?
人生を深く温かく支える「友情」を、臨床心理学の第一人者が豊富な経験と古今東西の文学作品からときほぐす、大人のための画期的な友情論(目次より「友だちが欲しい」「男女間に友情は成立するか」「友人の死」「“つきあい”は難しい」「友情と同性愛」「茶呑み友だち」「友情と贈りもの」など)。(「朝日新聞出版」WEBサイトより引用)
おすすめポイント
日本の心理学の第一人者、臨床心理学者・心理療法家の河合隼雄先生の著書。
同僚・上司部下、パートナー・夫婦、親子や兄弟など、あらゆる人間関係の根底にあるのは「友情」なのではないか?とさまざまな例を用いながら解説する本です。
複雑な人間関係の中で生きる「大人」だからこそ、一度立ち止まって「友情」について考えてみると、「なるほど」と思うことが多いはず。
心に残るフレーズもたくさん。人間関係に疲れたときに、読んでほしい一冊です(推薦者/奥西かずささん)。
4:Handle with Care/ソー・ソウエン、吉岡恵美子、山本浩貴(著)/torch press

画像:torch press
『Handle with Care』
著者:ソー・ソウエン、吉岡恵美子、山本浩貴
発行:torch press
価格:3,520円
HP:https://www.torchpress.net/product/6805/
概要
私たちの生にまつわる事象を身体との関わり合いを通して考察する絵画、インスタレーションやパフォーマンスを国内外で発表しているアーティスト「ソー・ソウエン」氏。福岡県出身で、福岡県を拠点にする彼のこれまでの活動を横断的にまとめた、初作品集。
メインとなるのは、「できることなら、わたしたちの身体を、何かを傷つけるためではなくて、大切なものを壊さないために動かす方法が知りたい」という想いから近年勢力的に行っている、卵を用いたパフォーマンスの作品群。「生命の象徴である生の卵を身体のくぼみに挟み、落とさないように動くこと」というルールのもと、パフォーマー同士が「卵」を介しながら、自己と他者の繊細な関係性、大切なものを壊さないための身体の在り方を共同で模索する《The Egg》。そして単独で壁やガラス、植物などあらゆる人や物との間に卵を挟み、落とさないように過ごし続ける《Eggsercise》などがあります。
写真だけでなく、動画のスチルをはじめ、インスタレーション、絵画作品やそれにまつわるメモやドローイングなど、作品同士が緩やかにつながるような構成。形の残らない刹那的なパフォーマンスに込めた思いが、詩的に表現されています。
おすすめポイント
絵画から映像インスタレーション・パフォーマンスの発表をしているアーティスト、ソー・ソウエンさんの作品……というよりも、作品に対する姿勢が本になっている、素晴らしい作品集です。
本作の中には、『福岡アジア美術館』で行われたパフォーマンス《Eggsercise》の写真も使われています。
私もまだパフォーマンスは見たことはないのですが、この本を見た時の感動がすごくて。アートの本で涙が出るほど感動したのは初めての経験でした。
本からアート鑑賞を始めて、実際に見たときに、より深く理解するような鑑賞体験ができる一冊かと思います。
ワンビル2階には、 証明写真をピクセルに分解し点描の手法で制作されたソー・ソウエンさんの作品《tieCOM_2501》も展示されています。ぜひ、本作と合わせてチェックしてみてください(推薦者/奥西かずささん)。
5:ロスト・シング/ショーン・タン(著)・岸本佐知子訳/河出書房新社

画像:河出書房新社
『ロスト・シング』
著者:ショーン・タン/岸本佐知子訳
発行:河出書房新社
価格:1,760円
HP:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309273303/
概要
少年が海辺で出会った迷子は大きくて赤いだるまストーブとヤドカリとタコが合わさったような奇妙な生き物。街でも目立つのに誰もその存在に気づかない。
アカデミー賞受賞映画の原作絵本!(「河出書房新社」WEBサイトより引用)
おすすめポイント
不思議なキャラクターや独特の世界を描き世界的に人気なオーストラリアの作家・イラストレーター「ショーン・タン」の絵本作家デビュー作。
少年が迷子の奇妙な生物と出会い、お家を探して一緒に旅をする物語なのですが、言葉も話さず表情もない奇妙な生物の表現がなんとも味わい深くて……。
常に理由や意味を求められる現代社会で、忘れていた気持ちを思い出させてくれる、大人のための絵本です。
大判絵本のいろんなところに作家の遊び心が詰まっていて、見るたびに発見があります!(推薦者/奥西かずささん)
いかがでしたか? 秋の夜のお供に、ぜひ手に取ってみてくださいね。(構成/ARNE編集部)
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※画像/KADOKAWA、技術評論社、朝日新聞出版、torch press、河出書房新社
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