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生理が来ない…妊娠以外の理由は?医師が教える気にすべきポイント&病院に行く目安・費用

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福岡県の西区今宿にある婦人科クリニック『よう子レディースクリニック』で診療にあたっている渋井よう子です。

生理がいつもよりも遅れると、心配になりますよね。生理が順調な人はいつもと違う生理パターンになると特に心配になるでしょう。

そこで今回は、生理が遅れて悩んでいる、自分の身体についてもっと詳しく知りたいという女性に向けて、正常な月経(生理)とはどのような状態か、遅れているときにチェックするポイントは何か、実際の症状&検査例、そして受診料についてご説明します。

〈医師プロフィール〉
『よう子レディースクリニック(婦人科・メディカルエステ)』院長の渋井よう子
東京出身で、「人のやさしさ」「食べ物のおいしさ」「住みやすさ」にひかれ、第3子出産後に福岡県移住。女性の健康・美・幸せを軸とした「ハッピーライフサイクル」を理念に婦人科クリニックで産婦人科医として診療にあたっている。

どれくらいの日数?周期?「正常な月経(生理)」とは

まず、正常な月経(以下、生理)についてお話します。

どれくらいの日数?周期?「正常な月経(生理)」とは

画像:Shutterstock

生理とは約1か月の間隔で自発的に起こり、3~7日間で自然に止まる子宮内膜からの周期的な出血です。生理周期(生理の開始日を1日目として次の生理の開始前日までの日数)が25~38日の間にあり、その変動が6日以内であれば、一般的には正常な周期と言われています。

生理周期の変動は、ある日突然起こる場合もあれば、徐々に起こる場合もあります。ときには正常な生理周期を挟むこともあり、個人差が大きいのが特徴です。そのため「生理はいつも同じ間隔で来て同じ日数続くべき」と考えなくても良いでしょう。

「生理が大体25~38日間隔で来て、6日程度前後するのは異常とは考えなくていいだろう」「いつもは予定通りに生理が来ているのに、今回は40日以上来なかった。けれど、次がいつも通りであれば様子を見よう」などとおおらかに捉えても良いかもしれません。

正常な生理か知りたい場合は「基礎体温」を測ってみて

正常な生理よりも長引く場合は「基礎体温」を測ってみて

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生理周期は厳密に正常と異常を線引きできるものではありませんが、生理周期が“39日以上3か月以内”と通常よりも間隔があく場合を「希発月経」と呼び、「希発月経」には排卵がない場合と排卵がある場合があります。

自分が排卵しているかどうかを知りたい場合は、基礎体温を測ってみると大体分かると言われています。基礎体温を測るときには、脇で測るような通常の体温計とは違い、舌の裏側で測る婦人体温計(基礎体温計)を使います。

婦人体温計はドラッグストアやインターネットで1,000円前後から購入することができるので、この先妊娠を考えている人や、自分の身体について理解したいという人は試してみてもよいでしょう。

思春期や40歳以上で生理が遅れている場合

「希発月経」の原因として考えられる病気の1つに「多嚢胞性卵巣症候群(以下、PCOS)」があります。「PCOS」は簡単にいえば排卵がうまくいかないことのある病気で、脳から卵巣への指令がうまくいかないことが主な原因と言われています。

思春期くらいの年齢で「希発月経」の場合、単に性成熟期の遅れが原因のことが多い印象です。また、40歳以降になると一般的に生理間隔があいてくるようになります。この場合は生理的変化として、卵巣機能が低下してくることが原因の可能性も高いです。これらの場合は積極的な治療は必要ないことが多いでしょう。

生理が遅れていて治療が必要なケースとは

病院に行く判断基準は?症状別にみる「検査例」

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ここからは、生理が遅れている人で治療が必要なケースを説明します。

まず、思春期に多い急激な体重の減少がある病気で「神経性食欲不振症(摂食障害)」が原因と考えられる場合。診断・治療が遅れると命に危険が及ぶ可能性もありますので、病院を受診してください。

そのほか、頻度は多くないものの「甲状腺機能異常」、年齢に対して早期に卵巣機能が低下する「早発卵巣機能不全」、母乳を出すホルモンであるプロラクチンが高くなる「高プロラクチン血症」のほか、肥満や痩せすぎなどが原因の場合は治療が必要になることもあります。

また、症状が進み3か月以上生理が来なくなると「続発性無月経」として扱うようになります。この場合の“3か月以上”は「希発月経」と境界を引くために設定した日数なので、「希発月経」の延長と考えてよいでしょう。そのため原因も「希発月経」と同じ場合があるのですが、大きく異なる点は治療が必要であることです。

人の身体の細胞は、一般的には新陳代謝という形で日々新しい組織に入れ替わっています。生理によって入れ替わっている子宮内膜も例外ではありません。「続発性無月経」の場合、ホルモン剤を使って生理を起こす必要性を検討します。卵巣機能が下がって生理が来ないときには、足りない女性ホルモンをホルモン剤で補う必要が出てくる場合もあります。

病院に行く判断基準は?症状別にみる「検査例」

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一方、患者さんによっては、あえて生理を起こさない選択をすることがあります。

それは、ダイエットのしすぎで体重が急激に減ってしまった人や、「神経性食欲不振症(摂食障害)」の人など、卵巣の働きがお休みしてしまい、子宮内膜がうまく発育していない場合です。このときは、体重を元に戻すことを優先した治療を検討することもあります。

このように、3か月以上生理が来ない場合には、原因によって必要な治療が違うため、婦人科を受診してみましょう。

いくらかかる?病院受診のおおよその費用の目安

病院受診のおおよその費用ですが、保険診療(3割負担)であれば診察料とエコー検査で約2,500円。このほかに、血液検査やお薬代がかかることもあります。

生理は個人差が大きく、周りの人と比べることが難しいものです。妊娠を希望するかしないかによっても変わります。

妊娠を希望している人はまず基礎体温を測り、生理に不安がある場合は早めに婦人科を受診してください。そして妊娠を希望していない人は、定期的に生理が来ていれば様子を見てもよいでしょう。もちろん、気になることがある人はいつでも受診してくださいね。(文/渋井よう子)
※この記事は公開時点での情報です。
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考・画像】
※文/渋井よう子
※日本産科婦人科学会(2018)『産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第4版』(金原出版)
※画像/Syda Productions、Peakstock、miya227、theshots.co、kei907/Shutterstock

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