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生理が終わらない…原因は?病院に行くべき?医師が教える「長引く月経」で気にすべきポイント

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福岡県の西区今宿にある婦人科クリニック『よう子レディースクリニック』で診療にあたっている渋井よう子です。

生理がいつもよりも長く続くと、心配になりますよね。生理が順調な方はいつもと違う生理パターンになると特に心配になるでしょう。

そこで今回は、“生理不順”に悩んでいる女性や、自分の身体についてもっと詳しく知りたい女性に向けて、正常な月経(生理)とはどのような状態か、また何日生理が続いたら、どのくらいの量が続いたら一般的に気にするべきかをご説明します。

そもそも“正常な月経(生理)”とは?

そもそも正常な月経(生理)とは

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“正常な生理(月経)”の目安は、持続時期間が3~7日、経血量20~140gであることと言われています。

正常であれば、一般的に月経量のピークとなる2~3日目に、普通用もしくは多い日用ナプキンを1~2時間以上取り換えなくても過ごせます。そしてそのあとは徐々に月経量は減り、8日目あたりには生理用ナプキンが不要に。

“正常な生理(月経)”にはこのようなイメージを持っていただければよいでしょう。

何日遅れると生理不順?どれくらいの量であれば気にすべきなの?

何日遅れると生理不順?どれくらいの量であれば病院に行くべきなの?

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「今回の生理は長引いているな……」と思っていても、そもそも心配すべきなのか分からなくて困った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。気にしてほしいのは、上記でお伝えした生理のパターンから大きく外れているときです。

これまでの診察の経験から、特に若年の方の場合は、排卵がうまくいかない“無排卵周期”が原因のことが多い印象を持っています。「長引いた生理(月経量は多くない)の次の生理はいつも通りだった」という場合には、たまたま排卵しそびれた周期であった可能性も高いです。

一方、上記に当てはまらない以下3つのような場合には、一般的に気にするべきと言われています。病院に行き、医師の診断を受ける目安として考えても良いかもしれません。

(1)生理8日目以降も普通用ナプキンが手放せない

(2)月経量のピーク時には日中でも夜用ナプキンを2~3時間で取り換える必要がある

(3)月経量が多くなくても毎回の生理が10日近く続く

生理不順が起こる原因は?

生理不順

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生理が長引くような生理不順が若年の方に起こる場合、経験的には先ほどもお伝えした無排卵周期などの機能的な原因であることが多い印象です。この場合、卵巣が一時的に腫れることがあります。

物理的に特定できる原因としては、以下のようなことが考えられるでしょう。

・子宮にコブができる子宮筋腫

・子宮の内膜にできる子宮内膜ポリープ

・子宮内膜が異常に発育する子宮内膜増殖症

・内膜症の一種であり子宮の筋肉が肥大する子宮腺筋症

上記のような原因の場合は、この疾患自体の治療が必要になる可能性も。

そのほかには、血液自体が止まりにくい疾患や抗凝固薬の投薬歴、子宮内避妊器具などが原因になっているケースも考えられます。

生理不順なの?不正出血なの?まず確認する必要があるのは「妊娠の有無」

生理不順

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もともと生理不順である方は生理自体が長引いているのか、不正出血なのか区別がつかないこともあるでしょう。

無排卵周期でもこのような月経パターンの方はいますが、まず確認していただきたいことは“妊娠をしていないかどうか”です。

月経が順調な方で、予定よりも遅れた月経であった場合も、妊娠の確認が必要。妊娠の可能性がある方は、薬局で購入できる妊娠検査薬を使用してもよいでしょう。いち早く手軽に、妊娠しているかどうかを確認できます。

妊娠していることが分かった場合は、長引く出血が流産の兆候である可能性も考えられるため、産婦人科を受診してください。

妊娠していないと確認できた場合でも、今度は出血がどこから起こっているのかを調べる必要があるため受診すべきでしょう。この場合は、子宮の出口にポリープができる子宮頸管ポリープ・子宮頸がんや子宮体癌(前がん病変含む)の可能性も出てきます。

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今回ご説明したように、生理が長引いている場合、さまざまな原因が考えられます。

放っておいた場合、まず心配されるリスクとしては上記原因疾患が進行するリスク、そして鉄欠乏性貧血があげられます。特に鉄欠乏性貧血は症状を長期間放置していると慢性化し、疲れやすい原因となり日常生活に支障が出てくる可能性も。

一般的には鉄剤投与の治療をすれば改善することが多いと言われていますが、それでもコントロールがつかない場合には原因疾患の治療を検討するべきと考えます。

実際には人間の身体に起こることなので、ご自身での判断は難しいことが多々あると思います。少しでも気になることがあれば、「行きづらい」と思わず、ぜひ気軽に産婦人科へ足を運んでみてくださいね。(文/渋井よう子)
※この記事は公開時点での情報です。
※本サイトにおける医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考・画像】
※文/渋井よう子
※画像/Natalia Mels、sitthiphong、metamorworks、Boyloso、PR Image Factory/Shutterstock

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