紅葉やコスモスの名所としても人気!太宰府市「観世音寺」の見どころ(福岡県)
各地から紅葉の便りが届く今日この頃。
自然に囲まれている神社仏閣が、紅葉の絶景スポットになっていることも多いですね。
しかし、せっかく神社仏閣に出かけたのに、自然だけを満喫して帰るなんてもったいない!
“仏教検定1級”(※)を持つ私ツバキングが超カンタンに解説するので、ぜひ、神社仏閣の歴史や文化財の魅力にも触れてみてください!
今回は、太宰府市にある『観世音寺(かんぜおんじ)』をご紹介。
紅葉の美しさでも知られますが、京都や奈良にも負けない仏像がたくさん安置されているスゴイ場所なんです。
1,300年以上の歴史を誇るお寺「観世音寺(かんぜおんじ)」(太宰府市)
西鉄太宰府線・五条駅から徒歩10分の場所にあるお寺『観世音寺』。
太宰府市のコミュニティバス『まほろば号』のバス停に「観世音寺前」があるほか、無料の駐車場(20台程度)もあり、アクセスには困りません。
このお寺ができたのは、今から1,350年以上前の西暦670年頃。
現在はいくつかのお堂と、宝蔵などを残すばかりですが、かつては約3町の広さがあり、これは約90万平方メートル。みずほPayPayドームの敷地面積の10倍以上あった広大なお寺で、完成までにおよそ80年もかかったと言われています。
宗派は天台宗で、本堂には御本尊である『木造聖観音立像(しょうかんのんりゅうぞう)』が祀られています。
観音菩薩(聖観音の別名)のご利益は、苦難除去・病気平癒などが知られていますが、実はそれだけでなく、言うなら“万能”。
観音という名前には「困った人の音(声)を、よく聞く(観る)」という意味があるため、何か困ったことがあるときに手を差し伸べてくれる仏なんです。
ここを見ずには帰れない!巨大な仏像が並ぶ「宝蔵」
『観世音寺』で絶対に見逃してほしくないのが『宝蔵』(開館時間9時〜17時 ※入館は16時30分まで、入館料大人500円、高校・大学生300円、小・中学生150円)。
入館料を支払って中に入ると、思わず驚きの声が漏れてしまうでしょう。
そこには約5mの巨大な仏像が3体もそびえ立っています! 身長184cmの筆者と比べると、その大きさをお分かりいただけるはず。
中央で、恐ろしい顔をしているのが『木造馬頭観音立像(ばとうかんのんりゅうぞう)』。
恐ろしい顔をしている理由は、「あなたの人生の苦悩や災難を、怒りの力で打ち砕こうとしている表情」だからと言われています。
馬が牧草を食べるように悪いものを食い尽くしてくれて、ご利益である必勝祈願・合格祈願・無病息災などをパワフルに叶えてくれそうですね。
両脇は、『木造十一面観音立像(じゅういちめんかんのんりゅうぞう)』(左)と『木造不空羂索観音立像(ふくうけんさくかんのんりゅうぞう)』(右)です。
それぞれ、頭頂部にぐるりと10の顔があり、本体の顔と合わせて11の顔が。これは、「世界中の誰も見逃さず救えるように」という思いが込められています。
この3体は、仏像や仏教について知識がないまま目にしても、その大きさや彫刻の素晴らしさに思わず手を合わせてしまうはず。それくらい圧倒的な存在感です。
貴重な大黒さまに、ヒーローのようにバシッと揃った5人組!「宝蔵」でチェックしたい仏像
『宝蔵』に安置されているのは、巨大な3体の仏像だけではありません。
大きな仏像がたくさん並んでいる中では「地味」とすら思ってしまいますが、絶対にチェックしてほしいのが『木造大黒天立像(だいこくてんりゅうぞう)』です。
七福神の1人(打ち出の小槌を持っている神様)である大黒天。福々しく肥えた笑顔の姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ですが、ここに安置されている仏像は、そんなイメージとはかけ離れた、ニコニコの大黒天になる前の“古い大黒天”の姿。とても貴重なものです!
もともとはインドの「マハーカーラ」という神様ですが、マハーが「大(偉大)」、カーラが「黒(暗黒、闇黒)」などの意味を持つため、偉大なる暗黒の神「大黒天」として日本では知られるように。そして、鎌倉時代〜江戸時代に現在おなじみのニコニコ姿になったとされています。
五穀豊穣のご利益で知られ、この像も食堂を守っていた存在であるため、おいしいものを食べ続けたい方は、絶対に手を合わせたほうが良い像です!
ヒーローのようにバシッと揃った5人組にも目が引かれます。
『木造阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)』と『木造四天王立像(してんのうりゅうぞう)』です。
言い伝えによれば、お釈迦様の身長は一丈六尺(約4.85m)あったとされており、立像で4.8m・坐像で2.4m前後の如来像は「丈六仏(じょうろくぶつ)」といわれ、昔から全国的に人気がありました。
こちらの阿弥陀如来坐像は2.2mの丈六仏で、丸みを帯びた顔と体が醸し出す穏やかで優しい雰囲気が魅力的です。
それを囲む四天王像は、対照的に今にも荒ぶる雄叫びを上げそうな猛々しい姿。
「静と動」「冷静と情熱」が同居するチームがバッチリ並ぶ感じは、戦隊モノのヒーローが全員揃った時のようなカッコ良さがありますね!
新たに重要文化財になった建物と美しいコスモスも見どころ
ここまでご紹介した仏像をはじめ、国の重要文化財を収めている『宝蔵』。実は、建物自体も今年(令和6年)の3月に国の登録有形文化財(建造物)に登録されました!
私が訪れたときは、そんな宝蔵をバックにコスモスが美しく咲き乱れていました。その数、なんと約90万本もあるのだとか。
また、境内の木々も紅葉しており、古い建築物とのマリアージュは思わず写真に撮りたくなる景色です。
紅葉だけでなく、歴史や規模、そしてなにより仏像群の素晴らしさが際立つ『観世音寺』。この季節に訪れてみるのを強くオススメします!(文/Mr.tsubaking)
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■観世音寺(かんぜおんじ)
住所:福岡県太宰府市観世音寺5丁目6-1
拝観時間:9:00〜17:00(宝蔵の入館は16:30まで)
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※文・画像/Mr.tsubaking
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