話題の“トリリンガル”ソロアーティスト「NOA」さん独占インタビュー【私の推しごと#8】
福岡ゆかりの人に、「お仕事」の話から、個人的に推している「推しごと」の話まで、普段聞けないいろんなことを聞く『ARNE』のインタビュー企画『私の推しごと』。#8は、今大注目のトリリンガル(日本語・英語・韓国語)ソロアーティスト、NOA(ノア)さんの登場です(全2ページ)。
2000年3月13日東京生まれ。作曲、作詞、振付、ライブ構成やセットリストの作成、ビジュアルアートプロデュースまで手がける気鋭のソロアーティスト。
2020年1月より本格的に音楽活動開始。2021年メジャーデビュー。日本語、英語、韓国語を自在に操るトリリンガルで、国内外のアーティストとも積極的にコラボし、ジャンルに囚われない幅広い楽曲を制作する。
2023年2月に1stアルバム『NO.A』をリリース。5月には自身初のワンマンライブ、その後アジアツアーで香港・台北・バンコク・ソウルをまわり、9月には有明アリーナにて2DAYSを成功させた。2024年に入り、初のファンクラブ限定ツアーをスタート。5月29日、待望の2ndアルバム『Primary Colors』をリリース。8月には『サマーソニック2024』への出演が決定(東京・大阪)、10月からは全国ホールツアーを開催する。
「お仕事」について
Q:この「お仕事」を始めたきっかけは?
最初のきっかけとしては、幼い頃に『ハイスクール・ミュージカル』という映画を観て、歌う・踊る・お芝居をするというエンターテインメントにすごく惹かれたこと。特にレッスンを受けていたわけではないですが、テレビの前でいろいろコピーしてひたすら踊って。家でホームパーティーみたいなものがあると、みんなに「今から踊るから見てて!」と言って、当時好きだったマイケル・ジャクソンさんを真似して急に踊りだしたり。お母さんの友達が『スリラー』のミュージックビデオに出てくるゾンビ役をしてくれて、一緒に踊ったりしていましたね。
-今は身長185cm。小学生の頃から大きかった?
クラスではいつも一番後ろか、後ろから2番目。大きいほうでした。
-そしてK-POPアイドルを目指して12歳で韓国へ。
テレビで観たBIGBANGさんが大好きになって、あんなアーティストになりたいと12歳で韓国に渡りました。韓国に行ってすぐの頃、BIGBANGさんが通う美容院があると聞いて、探して行ったんです。そしたら担当の方がたまたまBIGBANGさんのヘアメイクもされている方で。僕に「芸能界興味ないの?」と聞いてくださったので、「実はBIGBANGさんが大好きで、所属されているYGエンターテインメント(※韓国の大手事務所)に入りたいんです」ってお話ししたら、その場で事務所に電話をかけてくださって、オーディションが決まりました。
-自ら行動して掴みとった幸運ですね。
本当に奇跡的な出来事で、すごくうれしかったですね。
-韓国に行きたいとNOAさんが言ったとき、お母さまはなんと?
もともと僕を海外に住ませたいと思っていたらしく、小学生の頃は毎年のようにハワイのサマーキャンプに参加させてくれていたし、家ではいつも洋楽が流れていたし、海外志向ではあったと思います。ただ本当に韓国に行くとなったら不安はあったと思いますが、僕の前では全くそういった部分を見せず、「行こうか」と言ってくれました。
-お母さまと一緒に渡韓して、YG初の日本人練習生に。どんな生活でしたか?
朝の11時に出勤して、
-出勤?
そう、出勤って言うんですよ(笑)。夜10時までに一通りのレッスンが終わります。レッスンは4つの日もあれば6つの日もあって、その合間に自主練したりご飯を食べたり。毎月ある「月末評価(※社長や演出家などにソロ曲、グループ曲、ダンスの評価を受ける)」に向けての準備もあるので、合間の時間だけじゃ足りなくなっちゃうんです。夜10時で帰る子ももちろんいましたが、僕の場合はそこからまた自主練やチーム練習をして、毎日最終電車で帰っていました。いまだに覚えてる、0時37分の電車でした。
-そんなハードな生活が6年間。
今の自分が成り立っているのは、間違いなくあの時間のおかげです。レッスンは、歌、ダンス、言語、楽器とかいろいろ。歌やダンスにもいろんなジャンルがあって、言語は僕は英語と韓国語、あと中国語も一時期習っていました。楽器は僕の場合はピアノで、ほかはギターだったりDJだったり。あとは、ジムレッスンもありましたね。そんな充実した日々でしたがなかなかデビューできず、ソウルでONE OK ROCKさんのライブを観たのをきっかけに、日本からソロアーティストとして世界に向けて発信していこうと帰国。2021年に日本でメジャーデビューしました。
Q:英語、韓国語も堪能なNOAさん。言語習得のコツを教えてください。
母国語からいかに離れるか、じゃないでしょうか。僕はまわりに日本人がいなかったことが大きかった。それでも韓国語をネイティブ並みに話せるまでに4年はかかりましたよ。
Q:お仕事をする上で大切にしているマイルールは?
諦めないことですね、やっぱり。曲作りの際も、他の方たちが「もうここで十分だよ」と言ってくれていても、自分の中でしっくりきていなかったらすごく悔しくて。乗り越えるのが簡単ではないときこそ諦めずに探し続け、作り続ける。最近収録した2ndアルバム『Primary Colors』もそうです。もともと『Prime』という曲がタイトル曲になるかもという話だったんですが、僕の中で「いや違うな」と。諦めずに頑張ったら、『COLORS』といういい曲が一番最後にできあがりました。
Q:いつも持ち歩いているものは?
香水かな。
-ふんわりいい香りがしています。
あ、本当ですか(笑)。香りでスイッチがオンになって、モードが切り替わる感じがすごく好きなんです。
-香水は何個くらい持っていますか?
最近、開封してからあまりにも時間が経ち過ぎたものを10個ぐらい処分したんですよ。で、今は多分20個ぐらいあります。朝起きて仕事に行く前、今日はどれにしようかと選ぶ時間も楽しいです。
Q:福岡にはよく来られていますか?
先月もイベントで来て、これで今年3回目です(※取材は5月下旬)。お仕事を始めてから訪れるようになったのですが、やっぱり毎回ごはんが楽しみですね。
-何を食べます?
もつ鍋は絶対に食べますし、ラーメンも好きですね。また僕、糸島という場所がすごく好きで。昨日は、前回行ったエリアよりもうちょっと奥のほうまで行ってきました。
-昨日、糸島へ?
はい。昨日はオフだったので1人でドライブしてきました。カフェでコーヒーを飲んだり、海をぼーっと眺めたり。夜はもつ鍋を食べて、福岡をめちゃめちゃ楽しみました。
「お仕事」のイチ推し
2024年5月29日に2ndアルバム『Primary Colors』をリリースしたNOAさん。注目してほしいポイントを聞きました。
Q:コンセプトを教えてください。
『Primary Colors』は、名前の通り「三原色」をテーマに作りました。僕はこれまでも、日本語、英語、韓国語を話す場面によって自分のことを三重人格のように感じることがありましたが、それを曲に落とし込んだことがなかったので表現してみたいと思って。赤・青・緑の三原色を使って曲作りをしたり、メッセージ性の幅を広げたりと僕の中で新たな発見がありましたし、また聴いていただける方にとっても、絶対に当てはまるようなメッセージや楽曲があるので、必ず聴いていただきたいなって思います。
-赤は情熱や強さ、青はセンチメンタルや知性、緑は自然体やリラックスというテーマを持たせ、アルバム収録の全14曲中13曲が三原色でカテゴライズされているのだとか。
赤は韓国語を話している自分に近く、青は日本語、緑は英語のイメージ。違う言語を話すとき、違う自分がいる。3つの要素が合わさった“NOA=自分”を表現しました。
Q:リード曲の『COLORS』だけは三原色ではなく、無色がテーマ。どういう楽曲ですか?
ここから色づいていくという意味でも始まりにふさわしいですし、今の自分を最大限表現している楽曲でもあります。僕には赤や青や緑な面があるけれど、聴いてくださるみなさんと「お互い染め合っていこうよ」という思いを込めて、歌詞や曲を作りました。
Q:これまでもNOAさんの楽曲の中には色をテーマとしたものが多いように思います。
今までも曲を作る際に何となく、この曲は青っぽいなとか色をイメージすることはありましたし、何らかの決め事をして作ることが多いです。たとえば海で思い浮かんだ曲だったら、ひたすら海の映像を流しながら作って、作り終えたら実際に海に行って聴いてみて、曲が思い浮かんだ当時に感じたこととマッチしているか自分の中で確認したり。そういう作り方を大切にしています。
-昨日、糸島ドライブ中も自分の曲を聴いていた?
もうガンガン流していました(笑)。僕はドライブ中に曲が思い浮かぶことが多いし、いちリスナーとしても、ドライブしながら聴き心地がいいかというところは大事なポイントですね。
Q:『COLORS』のミュージックビデオでバイクに乗っていましたね?
運転はしていないんですよ(笑)。でも初めてバイクにまたがってみて、かっこいいなと思っちゃいました。
-ダンスはマイケル・ジャクソン『スリラー』のミュージックビデオをオマージュした場面もあるような?
そうですね、要素としてありますね。曲がそもそも80年代とか90年代のレトロチックなものを取り入れているので、今の自分だから、今の時代だから表現できるものと、当時のかっこいいものを調和させて作りました。
Q:2024年11月1日、福岡でライブが決定しています。詳細の発表が待ちきれません。
それこそ昨日の夜中はずっとセットリストを考えていました。ライブのオープニングに流すSEも毎回自分で作っているんですが、今回のも今作っているところで、すごくかっこいい感じに仕上がってきています。アルバムのコンセプトをもとに、ショーを見た感覚になっていただけるようなライブにできたらと思っています。初挑戦の楽曲やパフォーマンスもあるので、以前来ていただいた方にも全く新しいものを見てもらえると思いますし、初めての方も1人で来られる方も、みんなが楽しめるライブになるんじゃないかなと思います。